個人型確定拠出年金(iDeCo(イデコ))の掛金は、加入者本人の状況等によって上限額(拠出限度額)が決められている。公的年金の被保険者区分がベースにあるものの、たとえば会社員の場合、勤務先の企業年金制度の加入対象か否かによっても異なる。また、企業型確定拠出年金(企業型DC)とiDeCo(イデコ)に同時に加入できるケースもあり、それぞれ上限が設けられている。本稿では、iDeCo(イデコ)の拠出限度額の差異について説明する。

iDeCo(イデコ)の拠出限度額は?

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(写真=Jack Frog/Shutterstock.com)

iDeCo(イデコ)の掛金の上限額(拠出限度額)は、職業(厳密には、国民年金の被保険者区分)によって異なる。まず国民年金の第1号被保険者である自営業者等は、月額が6万8,000円、第2号被保険者である公務員は月額1万2,000円、第3号被保険者である専業主婦(夫)は月額2万3,000円とその上限が決められている。公務員と専業主婦(夫)がiDeCo(イデコ)に加入できるようになったのは2017年1月からだ。

また、会社員(国民年金の第2号被保険者)については、かつては勤務先に企業年金がない場合のみiDeCo(イデコ)に加入可能だったが、2017年1月からは、勤務先の企業年金制度の加入者であってもiDeCo(イデコ)に加入できるようになった。ここでいう企業年金とは、企業型DC、確定給付企業年金、厚生年金基金などだ。会社員は、勤務先の企業年金の加入者か否かによって拠出限度額が異なる。勤務先の確定給付企業年金の加入者であれば月額1万2,000円、勤務先に企業年金が無いか企業年金の加入対象でなければ月額2万3,000円が掛金の上限となる。

【iDeCo(イデコ)の拠出限度額】
自営業者(第1号):月6万8,000円
公務員(第2号) :月1万2,000円
専業主婦(第3号):月2万3,000円
会社員(第2号) :月1万2,000円(勤務先に確定給付企業年金等がある場合)
会社員(第2号) :月2万3,000円(勤務先に企業年金が一切ない場合)

なお、自営業者等の拠出限度額は月額6万8,000円だが、国民年金基金の掛金または国民年金の付加保険料を納付している場合は、その掛金等を差し引いた金額が上限となる。iDeCo(イデコ)の最低掛金は月額5,000円以上で、1,000円単位で拠出限度額の枠内であれば自由に決められる。

企業型DCの掛金上限額は?

企業型DCの掛金にも上限額がある。その額は、勤務先に企業型DC以外の企業年金制度があれば月額2万7,500円、なければ月額5万5,000円となる。なお、企業型DCで加入者拠出(マッチング拠出)が認められている場合は、それも含めて拠出限度額の枠内に収めなければならない。マッチング拠出とは、企業型DCで加入者が一定の範囲内で事業主掛金に上乗せして拠出することで、その利用は加入者の判断で自由に決められる。

iDeCo(イデコ)と企業型DCの同時加入時の掛金上限月額は?

2017年1月以降は、勤務先の企業型DC規約でiDeCo(イデコ)への加入を認めている場合に限り、企業型DCとiDeCo(イデコ)両方に加入できるようになった。その場合の掛金は以下の通りである。

【同時加入が認められている場合の拠出限度額】
・企業型DC:月3万5,000円、iDeCo(イデコ):月2万円(勤務先に確定給付企業年金等がない場合)
・企業型DC:月1万5,500円、iDeCo(イデコ):月1万2,000円(勤務先に確定給付企業年金等がある場合)

ただし、企業型DCでマッチング拠出を実施している場合は、iDeCo(イデコ)への同時加入はできない。つまり、企業としては、マッチング拠出かiDeCo(イデコ)への同時加入か、いずれかを選択する必要があるということだ。

iDeCo+(イデコプラス)の場合の掛金上限額

2018年5月より、iDeCo+(イデコプラス)がスタートした。これは、「中小事業主掛金納付制度」の愛称で、従業員の加入しているiDeCo(イデコ)の掛金に、会社が中小事業主掛金を上乗せして拠出する制度である。企業型DCや確定給付企業年金のない100名以下の企業が対象である。この制度では、加入者掛金と中小事業主掛金の合計で月額2万3,000円が拠出限度額となる。

掛金の年単位化

iDeCo(イデコ)の掛金は、5,000円以上1,000円単位で毎月定額の掛金を拠出する方法が一般的である。ただし、2018年1月からは掛金拠出の「年単位化」が実施され、年1回以上、任意に決めた月にまとめて拠出するなど、柔軟な掛金拠出が可能となっている。ただし、年間の拠出限度額を超えることはできない。

掛金上限額がアップされるかも?

報道によると、厚生労働省は2019年より、企業型DCおよびiDeCo(イデコ)の拠出限度額を引き上げることを検討し、2020年の関連法改正を目指す見込みだ。iDeCo(イデコ)の掛金は全額所得控除になるため、もし拠出限度額がアップすれば、所得控除による税負担の軽減メリットがさらに増大し、iDeCo(イデコ)の魅力がいっそう増すことになる。併せて、加入期間を65歳まで延長することも検討されるようだ。早期の実施を期待したい。(提供:確定拠出年金スタートクラブ

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