ファーウェイは「従業員は事業基盤」という理念の元、人的資本に惜しみなく投資している企業の一つです。同社の急成長を支えているのは強力な人材戦略です。同社が徹底して重点を置く、優秀な人材のモチベーションを上げて長期的なコミットメントを勝ち得る戦略をご紹介しましょう。

多様な人的資源への投資と成長への手厚いサポート

woman
(写真=ImageFlow/Shutterstock.com)

20年以上にわたりファーウェイの経営改革に携わってきた上級経営コンサルタント黄衛偉(ファン・ウェイウェイ)氏は、同社の人材戦略基盤を「価値の源泉となる人的資本への投資」「多様性重視」「個人の成長促進」と定義しています。

「社員の頭脳こそが重視すべき天然資源」という創業者兼CEOの任正非(レン・ジェンフェイ)氏の言葉通り、雇用からトレーニング、チームとしての生産力向上まで、人的資本への投資を惜しみません。「資本増大を重視する必要がない」という非上場企業ならではの利点を活かした、長期的かつ継続的成長促進に向けたアプローチです。

人材の多様化を重視するファーウェイは、グローバルな視点を持った人材育成を目指しており、様々な可能性を秘めた人材を世界中から集めています。例えば、金融都市ロンドンに金融リスク管理センターを置くなど、各国・地域の得意分野を活かしたハイスペックな人材確保が特徴です。ほかにもパリや日本、イタリア、インド、ロシアなどにR&Dやソーシング・センターを設置し、多様化を実現しています。また、2016年の新規採用の38%は海外留学経験者でした。

しかし優秀な人材を確保するだけでは、組織の成長は促せません。そのため、個人の成長促進にも積極的に取り組んでいます。一例を挙げると、従業員はトレーニングセンターやオンラインプラットフォームを通した研修プログラムを利用することで、継続的なスキルアップを狙えます。

個人の持つ可能性を最大限に引き出すことで、チームに貢献するプレーヤーとしての能力を伸ばし、それがチーム全体、組織全体の業績アップへとつながるのです。

人事戦略は経営戦略の一部

高報酬・高評価制度は、優れた人材を確保・維持する上で効果的な手段として、多数のグローバル企業が採用しています。ファーウェイも報酬と評価をインセンティブに十分に反映させているほか、国内・国外の従業員持株制度を通して自社の利益を分配するなど、従業員のモチベーションアップにつながる環境作りに力を入れています。

これらの取り組みを見ていると、「人事戦略は経営戦略の一部」という概念がファーウェイの文化に定着していることが分かります。グローバルな規模で成長中の企業と共に自分自身も大きく成長できる機会に魅了され、オックスフォード大学やイェール大学といった世界中の一流校からも、続々と優秀な人材の卵が集まってきています。

ファーウェイが目指す「インテリジェントワールド」とは?

ファーウェイの目指す先には、「インテリジェントワールドの先駆者になる」という野望があります。インテリジェントワールドとは「世界中の人々や住宅、組織がインターネットでつながる」というコンセプトで、ICT基盤とスマートデバイスの世界トップを目指すことで実現を試みていると徐輪番会長は強調しています。

デジタル化が進む社会で企業の競争力と持続的成長力を維持するためには、失敗や挫折に怖気づくことなく、常にチャレンジ精神を持って前進できる組織の力強さが不可欠です。

こうした目標の明確化は、すべての従業員に「自分は世界を変える目的で仕事をしている」という高い意識を持たせることにつながり、イノベーションや生産性の向上を促しています。

「働きたい企業」の上位にランクインしてさらなる発展を目指す

ファーウェイは、人材採用力と育成力の高さを証明するかのごとく、2016年にLinkedInの「最も働きたい国際企業トップ40」 に中国企業として唯一ランクインを果たし、28位に選ばれました。

IT業界をはじめとする世界中の先進企業が次々に新たなサービスを提供して成長を続けている中で、企業は様々な施策を通して優秀な人材の確保と定着を図っています。ビジネス環境や国際情勢は常に変化を続けており、今後もさらにグローバル市場における競争は激化するでしょう。「世界を変える」という高い志を持つファーウェイは、優秀な人材を集めて個人のモチベーションを最大限まで高めることによって、より一層の組織力強化を図っていくでしょう。(提供:Global HR Online


【オススメ記事 Globa HR Online】
グローバルタレントマネジメントが求められる理由にせまる
アジアの現地企業の人材流出を防ぐためにすべき4つの対策
日本型「同一労働・同一賃金」のスタンダードな位置づけは?
アジアでの法人駐在員がマネジメントで失敗する3つの理由
アジアに進出する日本企業が直面する人事における3つの課題とは?