富裕層営業や企業オーナー営業の集大成とも言えるM&A業界。事業承継のプロフェッショナルとしてM&Aキャピタルパートナーズから、現役コンサルタント2名を招き、その営業手法を聞いた。(編集構成:ZUU online編集部 菅野陽平)※収録は2018年12月1日に行われました

M&Aの仕事とは?
──M&AキャピタルパートナーズさんはPRESIDENT Onlineの平均年収ランキング(2018年11月24日発表)2995万円で全上場企業で第1位にランクインしました。皆様も日々富裕層や企業オーナーに営業活動をしていくなかで、事業承継やM&Aに対する関心の高さを肌で感じていらっしゃるのではないでしょうか。
今回お呼びしたお二人は皆様と同じく金融機関のご出身です。そういったキャリアからM&A業界に飛び込み、どのようにオーナー営業を行っているかなどを聞く中で、理解を深めていただければと思います。では、ひと言ずつ自己紹介をいただいてよろしいでしょうか。
山﨑:はじめまして。山﨑と申します。私はもともと大和証券で2年半リテール営業をしたのち、M&Aキャピタルパートナーズに入社しました。今は部長としてヘルスケアやIT業界をメインに担当しております。
安田:安田と申します。私は三菱UFJ信託銀行に新卒で入社しまして、3年半リテールの営業をしていました。主に富裕層を中心とした個人向けに遺言や贈与といった資産承継のお手伝いさせていただくなかで、昨今M&Aと事業承継のニーズが高まってきていることを肌で感じていました。それで2017年11月に入社し、1年超が経ったというところです。
──安田さんは入社して約1年というところで、どんなお仕事をされているのですか?
安田:私は今、譲渡企業様の開拓を中心に行っています。主に東日本の製造業を中心に、事業承継ニーズのありそうなオーナーを訪問して、そもそもM&Aというのは、どのような選択肢なのかといった説明や、役員やご親族に承継する場合との違い、それぞれのメリット、デメリットなどをお伝えしていくような仕事です。
弊社の業務内容をご説明する中で「こういったM&A事例がありますよ」というお話もさせていただいて、オーナーさんが具体的に興味をもたれた場合は、譲受企業をご紹介したりしています。出張も多いですね。最近ですと甲信越エリアにも足を運んでおります。
──山﨑さんは今、どういったことをされているのでしょうか。
山﨑:私は部下が数名いますので、マネージャーとして一緒に営業に同行することと同時並行で自身の案件も進めています。
──M&Aは金融機関の社員でも接しないような税務や法務の知識が必要で大変そうだというイメージがあります。実際に入社してみて、もともと持っていらっしゃったイメージとどんなギャップがありましたか?
安田:仰るとおり、あらゆる分野の知識が必要になってきますね。銀行時代にある程度は勉強していたつもりなんですけど、それ以上の知識が広く深く必要になるため、会計士の先生に同行していただくなど提携している専門家の方々にアドバイスをもらいながら、自分だけで解決せずに、チームでやっていくというところを意識しています。
山﨑:私の場合、前職の証券会社では推奨の商品が降りてきて、それを販売するというのがメインの仕事でした。今の仕事は、まず社長にどういったニーズがあるのかというのをじっくり聞いて、それに対してどういったアプローチが良いのかを考え、かつ専門的なことを話さなくてはいけないので、常に勉強をしています。
──どういうニーズがあるかということも日々考えながらやっているのですね。
山﨑:そうですね。まずはネットや同業種事例等でリサーチした情報から状況を想定してから訪問します。面談時間は1時間〜3時間ぐらいが多いです。どういった形で提案していくか準備するのにかなり時間を割いてますね。
──1件1件に準備をかけるという形になると、同時に受け持つ顧客数は前職時代から減りましたか?
安田:前職は個人のお客様でしたので、担当顧客は100名程度いらっしゃいました。しかしM&Aは1案件にかかる労力がケタ違いですので、現在ですと5~6社くらいを並行して進めさせていただいているイメージですね。最初の初期的なご提案を含めると、年間100社を超えることもありますが、具体的に案件として進んでいくフェーズまでになると、だいだい数社というイメージです。
M&A業界に転職して良かった点
──お二人がM&A業界に飛び込んだ理由を聞かせてください。