個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」を始める時、金融機関に次のような質問をされることがある。

「農業者年金に加入していますか?」
「国民年金保険料の学生納付特例を利用していますか?」

いきなり問われても、答えが瞬時に思いつく人ばかりではないだろう。普段、自分が加入している年金の制度について考える機会などほとんどないためだ。

そこで本稿では、iDeCo(イデコ)の加入手続きの際に尋ねられやすい質問とその意図について解説する。自分がどれに当てはまるのか考えながら読み進めてみてほしい。

iDeCo(イデコ)に加入するためには要件を満たす必要がある

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(写真=sdecoret/Shutterstock.com)

そもそも、なぜiDeCo(イデコ)の加入手続きの際にいくつも質問をされるのだろうか。その理由はiDeCo(イデコ)に加入するには、満たすべき要件がいくつかあるためだ。主な要件は次の3点となる。

(1)年齢が20歳以上60歳未満であること
(2)国民年金や厚生年金などの公的年金に加入していること
(3)日本国内に住んでいること

これを見ると、iDeCo(イデコ)は原則的には20歳以上、60歳未満で国内に在住するほとんどの人が加入できるように設計されているように見えるが、ここには例外が存在する。例えば、「実は国民年金保険料を払っていなかった」「iDeCoの加入を認めない会社に勤めていた」など。

金融機関側は、加入を希望する人が要件を満たしているか、さらに例外に当てはまらないかどうかを見極めるため、私たちが普段は気に留めないような加入している年金制度などについて事細かに質問するのである。

iDeCo(イデコ)の加入手続き時によく尋ねられる5つの質問

では、実際にはどのような質問が多く、なぜそのような質問をされるのだろうか。内容を具体的に見てみよう。

①60歳未満か否か
新たにiDeCo(イデコ)への加入を検討する人には、60歳未満か否かといった年齢確認が行われる。iDeCo(イデコ)はそもそも私的年金制度の一種であり、20歳以上60歳未満の人しか加入できないからだ。

②どの職業(被保険者区分)に当てはまるか
職業(被保険者区分)について、自営業、会社員、公務員・私立学校教職員等、専業主婦(夫)の中から選択式で聞かれることが多い。それぞれの選択によってiDeCo(イデコ)の加入要件が変わる。また、どこに属するかによって月々の掛金の上限額が異なる。

iDeCo(イデコ)の月々の上限額は下記のように定められている。

・自営業者:月額6万8,000円
・勤務先に企業年金がない会社員:月額2万3,000円
・企業型確定拠出年金にのみ加入している会社員:月額2万円
・確定給付企業年金に加入している会社員:月額1万2,000円
・公務員・私立学校教員:月額1万2,000円
・専業主婦(夫):月額2万3,000円

③農業者年金に加入しているか
農業者年金は農業従事者(年間60日以上)が加入できる年金制度である。この制度に加入している人はiDeCo(イデコ)に加入できない。そのため自営業者は事前に農業者年金に加入しているかどうかを質問される。

④国民年金を納付しているか
日本の年金制度は、国民年金(基礎年金)が一階、厚生年金などが二階、企業型DCやiDeCo(イデコ)などの個人型確定拠出年金が三階となる、三階建て構造となっている。そのため、基礎となる国民年金保険が未納状態だったり、また免除を受けていたりする場合、まずは国民年金の支払いが先決となる。iDeCo(イデコ)への加入は、これを納めてからとなる。

例えば、学生納付特例といって在学中の保険料の納付が猶予される制度がある。この制度を利用している場合、iDeCo(イデコ)に加入することができない。このため、「学生納付特例を利用しているかどうか」と質問される可能性がある。

⑤現在、もしくは過去に企業型確定拠出年金に加入しているか
企業型確定拠出年金に加入している場合、月々の掛金の上限が変わる。また、過去に企業型確定拠出年金に加入していた場合、その資産をiDeCo(イデコ)の口座に移す必要が出てくる。

年金制度に理解を深めることが豊かな老後への近道

iDeCo(イデコ)は万人が加入しやすいよう、なるべく敷居を下げて設計されており、手続きもできるだけオンラインで済ませられるよう金融機関も工夫している。このため、加入の際に必要な質問もオンラインで答えなければいけない場面もあり、加入を希望する人が自分で自分の年金制度についてよく知っておくことが大切になってくる。

普段は気にしない年金制度について考えることは億劫な側面もあるかもしれないが、これで安心して老後を迎えられるならば儲けものではないだろうか。iDeCo(イデコ)は老後の資産形成に大きな役割を果たすものだ。自身が加入する年金制度について答えられるようになることが、豊かな老後への近道だといえるだろう。(提供:確定拠出年金スタートクラブ


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