株式投資や株式市場について勉強したいと思う人はたくさんいるでしょうが、実際にどのように勉強すれば良いのかを知らない人は多いようです。

それは当然のことで、我々は高校卒業まで、多くの場合は大学卒業まで、そのようなことはほとんど教育を受けずに来ているからです。

基礎を知らないということは、その意味では本当に致命的で、その分野への敷居が高くなってしまうものです。

このようなことを前提として、ここではどのように勉強していけば良いかを考えてみましょう。

勉強
(画像=Getty Images)


株式投資に必要な知識は3種類

必要な知識は3種類に分けられます。

基礎的な知識と実際の投資経験と最近の世の中の動向に関する知識です。

これらについて、順々に考えていきたいと思いますが、その前に大切なことをまとめておきます。

筆者は長い間、自然科学の研究をしてきました。

レールのない境界領域の研究では、いつもその周辺の知識を必要とします。

このため、知らない分野を早く手際よく勉強する必要性に迫られます。

株の勉強と同じような状況に追い込まれるわけで、そこでこの3つの知識が重要になります。

その中でも特に2つの知識、基礎知識と経験は重要です。

全く新しい分野の勉強を始める時に、基礎的な知識の吸収を面倒くさがる人が多いです。

私も昔はそのようなことが多かったです。

「大の大人がこんな子供だましのような幼稚な本を読む必要があるのか」という感覚です。

ところがこの初歩的な部分の知識は、非常に大切です。

ものを理解するということを、樹木に例えれば、幹と主枝を知るのが初歩的な知識です。

それ以後の高級的な知識は、この木のどの枝に花が咲き、実が成り、葉がついているかを知ることです。

こうして、全体の樹木の構造がわかってきた時、ある分野がわかってきたことになります。

幹と主枝の部分がわかっていないと、新しい知識は単なる詰め込みだけで、理解からは遠くかけ離れていきます。


書籍からの基礎的な知識の吸収

私の場合は、周囲に株式投資について詳しい人はいなかったので、ほとんど自力でやるしかありませんでした。

したがって、書物に頼ることが多かったようです。

また、いわゆる名著と言われる古典的な本はほとんど、ここに分類されます。

周りに詳しい人がいれば、直接教わった方がはるかに早いです。

もっとも先方の実力の吟味も大切ですが…

転機になったのは、学会の帰りに新幹線の中で読んだ、遠藤四郎著「株でゼロから30億円稼いだ私の投資法」でした。

疲れていて、ちょっと軽い面白そうな読み物がいいと思い、軽い気持ちで読み始めたものでした。

これは、遠藤四郎氏の自叙伝のようなもので、福島県浪江町の貧しい古物商の家庭で育った著者が、高卒で大手都市銀行に就職しながら、将来性のなさから退職し、投資人生で成功する話です。

話の内容も面白かったのですが、それ以上に、株式投資にも戦略というものがあるということをこの本で初めて知りました。

そして、彼が推奨して自分自身でもやっていた投資法が中小低位株の投資法でした。

ウォーレン・バフェット氏などが提唱している割安株(バリュー)投資法そのものでした。

バリュー投資とは?バフェット氏も推奨する投資手法の王道について解説

遠藤四郎氏の著書に出会ってからは、株式投資にはどのような戦略があるのかということを中心に、色々な本を読みました。

この時読んだ本は、今は手元に残っていなくて、ほとんど処分しました。

多分、1回読めば十分だと思ったのでしょう、だいたいみかん箱にして2箱くらいは処分しました。

今では、その時に良いと思って手元に残した本が数冊あるだけです。

こうして得られた結論は、個人投資家が機関投資家と争って勝てる分野は、中小型株だけで、長期保有を前提として、その中でも割安(バリュー)株投資法と成長(グロース)株投資法の2つだけだということでした。

今手元にある本は、澤上篤人著「あなたも長期投資家になろう」と藤野英人著「トップファンドマネージャーの負けない株の黄金則」で、当時は全く知りませんでしたが、どちらも日本では1、2位を争う優れた投資家であることは驚きです。

優れた投資家は、優れた教育家なのかもしれません。

割安(バリュー)株投資法の熱心な推奨者は、ウォーレン・バフェット氏で、世界中でたいへん有名です。

しかし、彼自身は、自分の投資会社であるバークシャー・ハサウェイの毎年の財務諸表に掲載されている「バフェットからの手紙」以外には、ほとんど書物を書いていません。

彼の考えは、多くの信奉者のフィルターを通してしかわかりません。

それに対して、マゼランファンドで有名なピーター・リンチ氏は、多くの書物を書いており、一読をお勧めします。

私は、「ピーター・リンチの株に勝つ」という本が、副題に「アマの知恵でプロを出し抜け」と書いてあり、とても好きです。

この本の中では、ピーター・リンチは、割安(バリュー)株投資法だけを言っているのではなく、株式投資一般について幅広い常識を語っています。

これ以外に、ローバー・A・ハウゲン著「株式投資の新しい考え方」も素晴らしい本です。

成長(グロース)株投資法というのは、その名前の通り、成長している会社の株を購入し、会社の成長とともにその会社の株式で利益を上げようとする方法です。

どのような会社も、人の成長と同じで、幼年期、青年期、壮年期、老年期があります。

このうち、会社の成長が著しく速いのが幼年期と青年期であり、後に大きくなる会社は、この初期の成長率がプロの予想をも大きく超える場合が多いです。

したがって、ここに投資をすれば、多くの成功を得ることができます。

しかし理屈で考えるほど、このような会社を見つけることは容易ではなく、創業まもなくということもあり、途中で消えてしまう会社も多くあります。

さらに、成長株投資法については、日本にはあまりよい案内書がなく、案内書を書いている方でも混乱が見られます。

割安株成長法なる説明は、その典型です。

日本では、ウォーレン・バフェット氏の影響が強く、その精神で成長株投資法を行うと、割安株成長法になり、本人も真面目に書いているのだと思います。

しかし、割安株法と成長株法は全く異なり、時としては全く逆になります。

例えば、成長株の株価は高めで、株価収益率(PER)などは、50から100を超えることも多く、割安株の20以下というのとはまるで逆になります。

お勧めは、マーク・ミネルビィニの「マーク・ミネルビィニの成長株投資法」です。

少し、難しいですが、興味のある方は読んでください。

彼は、本文中で、割安株法と成長株法はそれぞれ専門が違い、どちらでも良い成績を上げることはできないと言っています。

松井選手がイチロー選手になることは出来ず、イチロー選手も松井選手になることは不可能なわけです。


実際に経験を積む

株式投資では、特に経験を積むことは大切です。

科学の研究では、実験が大切になりますが、実験が素晴らしいのは、条件を同じにすれば誰がやっても同じ結果が出るという「再現性」があります。

同じ科学でも天気や海流や農業などは、この再現性がかなり低くなります。

なかなか条件が同じにならないためですが、それでも夏になれば夏のタイプが、冬には冬のタイプになりますから、広い意味での再現性はあります。

ところが、株式市場の場合には、循環株の一部以外はほとんどこの再現性がありません。

このようなランダムの世界では、知識の積み重ねはあまり意味を持たず、専門家が育ちにくく、経験が時には大きな助けになります。

基礎的な知識を吸収するだけでなく、それを実戦で使って基礎知識の大切さを確認しましょう。


マクロ的な最近の世の中の動向に関する知識

株式投資をするには、現在の経済の動向を知ることはとても大切です。

経済が上向きの時は、どのような戦略でも誰がやってもうまくいきますが、下向きの時にはどうやっても、うまくいかない場合が多いものです。

経済がうまくいっていない時には損失を最小にして、景気が良くなった時は最大の結果を出すことが大切です。

経済の動向を見るのにお勧めは、日経新聞提供の「ワールドビジネスサテライト」というTV番組です。

多くのビジネスマンが見ていると聞いていますが、新しい情報が満載で、投資のヒントになる話題も豊富です。

リーマンショックが始まる1年半ほども前から、ビバリーヒルズで多くの不動産が売り出され、小谷真生子キャスターが経済危機が来ないのか、サブプライム問題は大丈夫かなど、毎週来る経済専門家に聞いていたことが思い出されます。

何十人の専門家が登場したでしょうか、誰一人として危険だという人はいませんでした。

それを信じた私も愚かでしたが…

そのほかに会社情報を知るには、「会社四季報」を利用し、月刊「日経マネー」、「週刊ダイヤモンド」、日経新聞などもよく見ています。

大切なことは、いろいろな会社のものを見ておくことが大切です。会社によっては偏った見方をする場合もありますから。

最近出た本では、渡辺清二著「会社四季報の達人が教える10倍株、100倍株の探し方」が良い本だと思います。

そのほかに、前の日銀副総裁だった岩田規久男氏の「デフレと超円高」、「日本銀行デフレの番人」「ユーロ危機と超円高恐怖」などは、日本にも優れた経済学者はいるのだと思わせてくれるものです。


最後に

株式投資は、最後は自己責任です。

最後に、矛盾するようですが林田和夫氏の言葉を引用します。

「勝負事の極意は、人に教えを受けるものではないし、教えられるものでもない。まして仲間と相談して習得できるほど甘いものではない。それは、自らが会得するものである」(提供: The Motley Fool Japan



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