株式投資の世界では、その道数十年の個人投資家であろうと、機関投資家の資産運用部門のエースであろうと、百戦百勝はありえません。

どうしたって負けることはあります。

大切なのは、負けた時にいかに「上手く」負けるかということ。

逆に言えば勝率9割であってとしても、残りの1割の負けで9割の勝ち分を飛ばしてしまえばトータルでも負け、台無しです。

今回は株式投資の「負け方」で重要な損切りについて詳しく解説していきます。

負けた時に、潔く引き上げ、損失を最小限にとどめるのはトータルで勝つ上で必須のポイントです。

損切りは心地よいものではありませんが、個人投資家の7割が負ける株式投資の世界で生き残るために絶対に必要となりますので、ぜひご一読ください。

なお、本ページでは特別に記載のない限り、「現物買い」のみでの取引を行うものとします。

損切り
(画像=Getty Images)


損切りとは?

損切とは「含み損」(買った金額よりも現在の金額の方が低い状態)の状態となっている銘柄を売却し、現金に戻す操作のことです。

この売り注文が約定した時点で、

損失額=(取得単価-売却時の単価)×株数+手数料

の損失が確定することになります。


損切りできない時の心理

理屈としては非常に単純な損切ですが、いざ損切りを行うのはそう簡単にはいかないことは、株式投資に手を出したことがある方ならば経験済みですよね?

「含み損」はただの数字ですが、損切りをした時点で、確定した損失が現実のものとなります。

そうなると、人間の心理というのは弱いもので、

  • 損失を確定させるのが嫌だから今は放っておこう
  • しばらく置いておいたら、いつかは上がるかもしれない

そんなことを考えて中々損切りを行えないものです。

確かに、長い目で見れば「いつかは」上がる可能性も十分に考えられます。

しかし、単純に損失を確定させたくないという心理で損切を行えないのは経済的には極めて非合理な判断であることは認識しておきましょう。

投資を始める前に損切りのルールを設定しよう

感情は冷静な判断の妨げになりますので、投資に勝つことにおいては「感情を捨てる」ことが最重要と言っても過言ではありません。

とはいっても、その都度の売買で感情を捨てるというのも言うは易し、なかなか実行はできません。

そこで、重要なのは損切にルールを設定し、そのルールに抵触した時点で機械的に損切りを行うといった姿勢です。

具体的には、

  • 直近最安値を更新した時点で損切り
  • 25日の移動平均線を割った時点で損切り
  • 買った価格から10%下がった時点で損切り

といった具合です。

買った時点から〇%という考え方は、市場ではなく自分の購買価格が判断基準になっているのでやや妥当性に欠けるところもありますが、それでも何となく買って、ダラダラと含み損を抱えるのに比べればよっぽど効率的に資金管理ができます。

また、数字ではなく、期待していた新商品を試してみたところ期待外れだったので損切り、といった判断も考えられます。


長期保有が前提なら損切りは不要?

短期のスパンの売買であれば、損切が重要なのは想像に難くはないと思いますが、

「長期保有であれば含み損があっても問題ないのでは?」

と考えることもできます。実際のところどうなのでしょう。

結論としてはケースバイケースです。

本当に数年単位の長期で保有した後の売却を考えているのであれば、もしくは、配当や株主優待を受け取り続けることが目的なのであれば、含み損が出ていてもあえて損切をしないという選択も間違いとは言い切れません。

ただし、それは本当に長期投資目的であった場合のみです。

どういうことかというと、含み損に直面するとまず働くのが「損切りして損失を確定させたくない」という心理でした。

すると、本来は短期での投資を考えていたにも関わらず、いざ損切ができなくて長期投資スタンスに「切り替える」というのは不合理な判断です。

こういった不合理な判断は、えてして「何となく」株を買った時に起こるものです。

自分が、なぜその株を買ったのか、どうなったら売るのか(利益確定、損切り含め)を最初から明確にしておくことが大切です。


損切りをする前に考えること

以上のポイントを踏まえた上で、損切する前にどのようなことを考えればよいのか、いくつかポイントを絞ってまとめてみました。


現在の株価は本当に適正値か

まず、現在の株価が適正かどうかということを考えましょう。

具体的には、

  • 現在の業績から見て株価が割安な水準になっていないか
  • 何らかのニュースに反応して過剰に「買われすぎ」もしくは「売られすぎ」ではないか

といった点です。

もし、「割安すぎる」「売られすぎている」という判断ができる場合、その時点ですぐに売却をする必要はないかもしれません。

もしかしたら、そう長くない時期に株価がある程度は回復する可能性があるためです。

テクニカルのトレンドなども総合して考える必要はありますが、損失を減らせる可能性が高いようであれば、少し様子を見るのも手です。


業績などを鑑みて将来性を期待できるか

どちらかというと長期目線での視点ですが、その企業が将来的に業績を伸ばし、成長していけるか、という指標も判断材料になります。

株価は、短期的にはちょっとした要因で高すぎる価格をつけたり、安すぎる価格をつけたりもしますが、長期的にみるとその会社の業績を反映した株価になっていきます。

今後、将来性を期待できる会社であれば、今は含み損を抱えてしまっているとしても、今後株価が上がっていく可能性は高いので、損切しないという判断も考えられます。


損切りをすると税金の計算はどうなる?

最後に、税金に関わる話です。株で利益を取ることができた場合、その利益の20%を税金として支払わなければなりません(NISAでの利益確定を除き)。

一方で、損切りして損失が出た売買については当然税金の支払い義務はありません。

それだけでなく損失が出た分については、最長で3年間、別の取引で出た利益と損益を合算する形で、買った取引での利益を圧縮し、支払う税金を減らすことができます。(損益通算)

勝ったら課税、負けたら非課税、というだけでなく、トータルのプラスマイナスで考えることができる上、その「負け」は3年間繰り越せます。

有効に活用しましょう。


まとめ

冒頭でも述べましたが株式投資において、全勝などということはありえません。

勝てる投資家というのは、「トータルで勝っている」投資家のこと。

逆に言えば、負けた時にいかに傷が浅い状態で上手く負けるかというのがとても大事な考え方になってきます。

上手く負けるための最重要ポイントが、損切り。

損失を確定させるのは気分のいいものではありませんが、勝てる投資家になる上で外せないプロセスなので、必ず身につけましょう。

ポイントは、しっかりとルールを決め、条件を満たした時点で機械的に損切りを行うことです。

株価の妥当性や、企業の将来性も見極めながら、冷静に判断することが大切です。

そして、潔く損失を確定させたら、次の投資に移りましょう。

確定した損失は勉強代であると同時に次の取引で出るかもしれない利益の圧縮で節税もできることも覚えておいてください。(提供: The Motley Fool Japan



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