目次

  1. 小規模宅地の特例の制度趣旨を理解する重要性
  2. 重要な2つのポイント
  3. 不思議な点を制度趣旨から読み解く
    1. ① 不動産貸付用宅地の減額割合が50%である理由
    2. ② 2か所に家屋を有していた場合
    3. ③ 老人ホームに入居した場合でOKの場合とNGの場合がある理由
  4. 金融セールスの現場において
元野村證券PBの税理士が語る 金融セールスのための税制講座(5)「税制改正大綱の位置づけ」
(画像=ZUU)
佐野 比呂之
佐野 比呂之(さの・ひろゆき)
佐野比呂之税理士事務所、合同会社パープル・リングス代表。1998年、立教大学経済学部卒業。複数の中小税理士事務所に勤務。2006年、中央大学国際会計研究科修了MBA取得。税理士登録。2007年、税理士法人プライスウォーターハウスクーパース(PwC)入社(一時期、野村證券へ派遣)、主にオーナー企業向け税務顧問及び事業承継業務、国際相続案件に従事。2011年、野村證券株式会社にて上場・未上場企業オーナー向けプライベートバンキング業務に従事。2014年、佐野比呂之税理士事務所を開所。2015年、合同会社パープル・リングスを設立。税理士、行政書士、1級FP(CFP)、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、証券外務員一種(内部管理責任者)。

金融セールスの方々など相続ビジネスにかかわったことがある方であれば一度は聞いたことであるであろう「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」制度(以下「小規模宅地の特例」といいます)。基礎控除額や配偶者の税額軽減制度と並び相続税計算上、非常に強力な制度とされています。

前回のコラムでは税制改正の流れについてお話しさせていただきましたが、近年の税制改正において小規模宅地の特例については数度に渡って改正がされており、中にはその改正内容を事前に知らないと後からでは対処できないような改正もされています。ただそもそも小規模宅地の特例制度自体が難解であるため、改正内容どころかその制度そのものも追いついてない方が多いというのが実情です。

そこで今回は小規模宅地の特例制度そのものの細かい条件等は他書に譲り、この難解な小規模宅地の特例制度を最短で理解するポイントを中心にお伝えしつつ、次回はそれを踏まえ平成31年度税制改正の配偶者居住権に係る適用も含めた近年の税制改正の内容や改正理由をお伝えしたいと思います。

小規模宅地の特例の制度趣旨を理解する重要性

小規模宅地の特例制度は非常に強力な制度であるがゆえに条文構成は非常に複雑難解なものとなっており、我々税理士においても消費税の届出関係と並び、税賠訴訟の多い分野として常に警戒する制度の一つです。そんな小規模宅地の特例制度を理解する最短の方法は実は「制度趣旨」をよく理解することにあると考えています。