金融緩和でリーマンショックの下落から伸び続けてきた株式市場ですが2018年頃から雲行きが怪しくなってきたと考える投資家も多いのではないでしょうか。

もちろん今後の株式市場が予想に反して上昇する可能性がないとはいえません。

しかし株式市場の下落局面に備えた投資の心づもりをしておけば、いざという時にも落ち着いた対応ができます。

株式市場の下落局面に強い投資の一つが金投資です。

長く続いた金融緩和の巻き戻しがきた場合、株式市場は下落局面に入ります。

米国債の信用が下がり基軸通貨米ドルの信用度も下がります。

株もペーパーマネーの価値も下がるとなると結果的に金に資金が流れる可能性もあります。

本記事では株投資家も簡単にはじめられるETFを通した金投資をご紹介します。

金投資
(画像=Getty Images)


2019年の株式市場は下げ相場?

2019年の株式市場は下げ相場なのではないかという観測があります。

市場参加者は短期の債券の利回りと長期の利回りの格差に注目しています。

通常、金利は長期債券の方が短期債券よりも高くなりますが、不況になる時は長期債と短期債の利回りが逆転します。

銀行は短期市場でお金を借りて長期で貸し付けて、利ざやを得ます。

しかし短期市場の金利が長期市場の金利より高くなると銀行は逆ざやになります。

結果として銀行の融資が滞り、経済が回らなくなります。

2018年末には3年債利回りと5年債利回りが逆転しました。

これはリセッションの合図ではないかと市場関係者の中で悪材料になりました。

10年債利回りと2年債利回りの金利差も0に近くなっており、下げ相場も近いのではないかと危惧されています。

株式市場も天井から頭打ちになっており高値を抜けない状況です。

米中貿易戦争も深刻で株式市場の悪材料になっています。


株安・高金利の時代の有望な投資先

株安・高金利の時代の有望な投資先として、金が選択肢に上がります。

行き場のない投資資金が安全資産と言われる金に流れるからです。

キャッシュポジションで、しばらく不況をやり過ごすのもひとつの方法ですが、金投資によって株価低迷の時代に利益をだせる可能性があります。


金投資の強み

有事の時に強いのが「金」と言われています。

株価の下落局面でも歴史的に見て金は上昇してきました。

またインドや中国などの新興国の経済成長による需要拡大もあります。

金の採掘のコストもあがっており、金価格が採算割れする価格になると生産もストップするため下値を支える材料があります。

特に各国のペーパーマネーの価値そのものが全世界で下落すると、金は無国籍通貨の側面もあるため、投資資金が流れやすくなります。

また空売りのように下落局面のタイミングをはかるのが難しい方法よりも、地道に金のポジションを増やしていく方が投資としては簡単です。


株投資家なら金ETFが現物より有利

金投資は現物を買う方法もありますが、金価格に連動するETFを買う方が株投資家には特に有利です。

なぜなら現物の金は管理コストが高く、株との損益通算もできず取引コストも高いからです。

株投資家ならETFを通して金に投資をする方が良い理由があります。


ETFは株と損益通算できる

ETFは株と損益通算ができます。

例えば金のETF投資で利益が出て、株で損が出た場合はその両者を合計した金額を申告することができます。

損益通算ができない場合、利益にのみ税金がかかってしまい損した分は配慮されません。

実質的に利益が出ていないにも関わらず税金だけ払わなければならないこともありえます。

損益通算ができるのは、現物の金にはないETFならではのメリットです。


コストが安い

ETFなら株投資と同程度のコストで取引することが可能です。

しかし現物の金の場合、取引手数料がETFよりも高く、しかも管理コストも発生します。

購入した金を家に預けておくのも物騒なので、安全な金庫などに保管しなければならないからです。

取引コストと管理コストをETF投資なら、かなり削減することができます。


現物には盗難のリスクがある

ETFは電子取引でデータ上、持つだけなので物理的に盗まれません。残高明細が届くだけです。

金現物は盗難などのリスクが高く、管理コストが発生します。

ETFは電子データの株券のようなものなので、物理的な管理が必要ありません。


代表的な国内外の金ETFを紹介

日本市場でも米国市場でも金価格に連動したETFを購入できます。

日本で代表的な金ETFは、1540の「金の果実」です。

「金の果実」は、日本国内に上場する金ETFの中でも売買代金で7割近くのシェアがあります。

そして金の裏付けもあるため、ETFの価値を担保する貴金属が国内に保管されています。

日本人なら1kg単位で金地金に交換することも可能です。

米国市場ですとSPDRゴールド・シェアというETFが有名です。(ティッカー:GLD)

米国株で得た利益を米ドルのまま金投資に流したい場合は、米国市場の金ETFを購入するという選択肢もあります。

ただし積立など取引回数が増えそうな場合は、手数料の高い米国株と同じ買い付け手数料を負担する海外の金ETFよりも、日本の金ETFを買った方が手数料の面では有利です。


金投資のデメリット

金投資にはデメリットもあります。それは利息がつかないという点です。

例えば債券や預金ならば利息が発生します。

極端な例を出すとカンボジアの米ドル定期預金なら1年で約5%の利息が発生します。

下落相場でもキャッシュポジションで利息を受けとるという選択肢もあります。

しかし金は利息がつかないため、金そのものの値上がりに期待するしかありません。

もちろん株と違い配当金もありません。

金は持っているだけではインカムゲインを受けとることができない資産です。

継続収入が得られるインカムゲインとは?代表的な商品やリスクも解説

ETFなら問題ありませんが、現物だと前述の通り紛失や盗難のリスクもあります。


金を買うなら積立投資かドルコスト平均法

金を買うなら積立投資がタイミングを考えずに良いので簡単です。

決めた額を少しずつ一定の間隔をあけて買っていくドルコスト平均法なら高値づかみで失敗することもありません。

金ETFを年に何度か購入しても良いでしょう。

また米国株や米国市場とは関係ありませんが、純金積立も楽天証券などの一部のネット証券で実施しています。

そして金は基本的にバイ・アンド・ホールドの長期投資が基本です。

株価低迷を予測することはできても、タイミングを予測することは難しいため、金のポジションを少しずつ増やしていきながら不況に備えるのが有効です。


まとめ

金融緩和により上昇を続けてきた世界の株式市場にも、下落の兆候が見えてきました。

市場関係者にも2019年の株式市場に悲観的な意見があります。

株安の時代で米ドルにも信用がなくなると金が注目される時期がでてきます。

金投資は、ETFが株投資家にとっては損益通算や管理コスト、手数料の面からみて有利です。

ドルコスト平均法や純金積立などで金のポジションを増やしていけば、いざという時に資産を守れるだけでなく金の値上がり益も期待できます。

不況時にどのような投資をするかを考えておけば、いざという時に落ち着いて投資できます。

場合によってはキャッシュポジションでじっとチャンスを待つという選択肢もあります。

金もある意味では、無国籍通貨のキャッシュポジションという側面もあるため、金のポジションを増やすことでも株価低迷の時代を乗りきれる可能性は高まります。(提供: The Motley Fool Japan



フリーレポート配信
モトリーフールの日本進出にあたって日本の投資家、また、これから投資を始めたい方に向けて「株式投資にどう臨むか -スペシャルフリーレポート-」を配信しております。

こちらは無料レポートです。ここからアクセスできます。

ツイッターやフェイスブックで最新情報を配信しております。公式ツイッターアカウント@motleyfooljp公式フェイスブックアカウントをフォローする。