現役トップセールスの営業術
大手外資系生命保険会社へ入社後の初年度から、20年連続(2018年実績を含む)で保険業界の最高水準として世界中で認知されているMDRT基準を達成し、現在は自ら設立した保険代理店でトップセールスとして活躍している黒木勉氏。若い頃、父親が亡くなった際に保険に助けられた経験から、保険の重要性を伝えてきた。全世界の保険営業で頂点を極めた者のみに与えられる称号「TOT(Top of the Table)終身会員」でもある黒木氏に聞いた。最終回の第5回目は、初年度の手数料収入がMDRTの基準を超えるためにチーム全員で伸びる方法について。(編集構成:ZUU online 編集部 菅野陽平)※本インタビューは2018年12月27日に実施されました


囲い込まずに知識を共有し、助け合えるチームを作る
――チームを重要視されているとのことですが、チームを上手く活用し、売上を上げるための具体的な方法を教えてください。
基本的な話になってしまいますが、会社というのはいろいろな考えの方が集まってきていますから、具体的な成功の目標を見せるようにしています。目標は、当社であれば全員でMDRTの基準を目指すこともその1つです。
全国のお客様に対応するには、一人では限界があります。そこで「チーム」です。チーム全体で「お客様をお守りする」という意識を揃え、全国のお客様に対応できる組織作りをしています。当社には、47都道府県全てに地元採用したメンバーがいます。お客様を守っていくという意味でも地域に根づいた営業が必要ですから。そのため、全国84拠点、北海道だけでも4つの拠点を構えています。要するに組織やチームであれば、遠方などという地理的な要因で行けないという理由がなくなります。このように方向性と意識を1つにしてみんなで一丸となって取り組めば、一人ひとりの力が掛け算になって大きな力に繋がるのです。
――その方法で、お客様の取り合いにはならないのでしょうか?
その心配はいりません。おっしゃる通り、お客様を取り合っているような営業は、基本的にノウハウを共有しません。優秀な方ほどそれを隠してなかなか共有しないかもしれませんね。その問題を当社では、チーム制にすることで解消しています。お客様から保険相談のお申し込みをいただくと、各地域の担当者に自動的に振り分けられる仕組みが確立されているので、前提としてお客様を取り合うということがありません。その心配がなく、意識が共有できているため、お互いが自然とノウハウを共有し合うようになります。
当社のシステムでは、優績者のロングインタビューやロールプレイングをいつでも映像で閲覧できるようにしてあります。すると、全体のレベルが上がってくるんです。これがチームの最大の良さだと私は思います。データベースで全てが見られますし、直接聞きに行くこともできます。個々の才能に偏らずにチームで取り組むことで、これらを可能にしています。
私の場合も、トークスクリプトは優績な先輩などいろいろな方の話を取り入れ、いいとこ取りをして自分のオリジナルにしていきました。ですから、優績な方とは飲み仲間になるなど、一緒にいる時間を意識的に作っていました。
――御社のようにベースのスキルが仕組みによって担保されていると、逆にどこで売上の差がついているのでしょうか?