ファイナンシャル・アドバイザー
(画像=PIXTA)

これまで、傾聴では「感情のワードを聴き取り、くり返すことが重要」だとお伝えしてきました。しかし、中にはくり返してはいけない感情のワードもあります。代表的なものが「第三者の感情」です。次の例文をみてください。これは、あなたとA子さんが2人で会話をしているときのA子さんの発言です。

「そのとき、BさんがCさんに向かって、ものすごい剣幕で怒ったのよ」

この中には、「ものすごい」「剣幕」「怒る」など気持ちが表れているワードがいくつか出てきます。しかし、これらのワードは傾聴ではくり返しません。なぜなら、「怒った」のは話しているA子さんではなく、Bさんだからです。傾聴で寄りそえるのは、目の前にいる人(A子さん)の今の気持ちだけです。ここにいない第三者(Bさん)の気持ちには寄りそうことはできません。

この例の場合、「Bさんが怒った」というのは、A子さんが何かの思いを伝えるためのエピソード(例文)に過ぎないのです(「エピソード」については本連載第2回を参照)。にもかかわらず、エピソードの内容をくり返してしまうと、話が事柄の方向に流れてしまって、目の前の人の気持ちが見えなくなってしまいます。