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加入者教育を行う事業主をFPがサポートしていく

企業型確定拠出年金においては法22条によって「投資教育」を行うことが事業主の責務であるとされている。また、これは導入時に限らず導入後の継続教育も同様であり、さらに今回の法改正によって継続教育が「配慮義務」から「努力義務」に引き上げられた。

どのような形であるにせよ、確定拠出年金の加入者に対して情報提供が行われることは良いことであり、今後も継続されていくことが望ましいことはいうまでもない。

ただ、ここで俗に「投資教育」といわれているものについて2つの面から考えてみることが必要だと思われる。

まず、本連載の第1回(2016年4月号)でも指摘したように、確定拠出年金における投資教育は単に投資の技術や方法を教えるのではなく、制度全体を理解して加入者自らが老後資産形成に向けて行動できるように導くことが大切だということである。資産運用のテクニックを身に付けることが目的ではなく、老後の幸せな生活を送れるようにするというのが本来の目的であるから、これは当然である。

それに加えて2つ目のポイントである「その教育を誰が行うのか?」ということも考える必要がある。図表に示したように、現時点では実施企業の事業主の多くは、その業務を運営管理機関に委託している。

ファイナンシャル・アドバイザー
(画像=ファイナンシャル・アドバイザー)

また、加入者教育自体は運営管理業務ではないから、必ずしも運営管理機関に委託する必要はなく、事業主で行ったり運営管理機関以外の第三者に委託したりするということも当然あり得る。

事実、第三者への委託はまだ少ないが、事業主自身が加入者の取得よりもむしろ老後の生活設計を考えられるように自立するというところにあるとすれば、必要なことは会社の制度や公的な年金、保険等の制度をきちんと伝えることである。

この背景として、運営管理機関にお願いしても多忙を理由になかなかやってもらえないケースもあると聞く。しかしながら、むしろこれは、確定拠出年金における加入者教育の本来の目的を事業主自身が理解し始めてきているということの証左といえるのではないだろうか。

老後の生活設計のためにも事業主による教育が理想的