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中長期的な市場本来の動きと短期的なかく乱要因を分けて整理

2016年6月23日、英国はEU離脱に関する国民投票を行い、その結果、EU離脱派が多数を占めることとなった。投票直前の予想ではEU残留派が多数を占めるとみられていただけに、市場は大きく反応した。英国の代表的な株価指数であるFTSE100は6月23日から27日までの2営業日で5%以上下落し、ドイツのDAX指数に至っては9%以上の下落となった。

株価が下落すると、株式に投資している投資信託の基準価額が下落する。基準価額が大きく下落すると、投信(委託)会社はレポートを公表する。さらに、大きなイベントとみなされると、各社は独自に臨時レポートを公表する。

図表1は、6月27日の時点で投信会社各社が公表しているレポートを比較したものである。臨時レポートの公表は義務付けられているものではない。したがって、その内容も、様式も各社まちまちになっている。

ファイナンシャル・アドバイザー
(画像=ファイナンシャル・アドバイザー)

今回は、独自に評価をつけさせていただいた。評価する際のポイントは、そのレポートがこれからの運用の意思決定に役立つかという点である。

最も評価が高かったのは、英国の運用会社シュローダー・インベストメント・マネジメントである。この会社は、欧州株式ヘッド(ファンドマネージャーで欧州株式を統括する立場にある人)が、独自に10のポイントを挙げて3ページにわたりコメントを掲載している。「英国の中でも海外売上比率の高いFTSE100銘柄は影響が小さい」「市場全体のバリュエーションが低下すると割安株を見つけやすい」といった具体的な指摘が載っていて、とてもわかりやすいレポートであった。

次いで評価が高いのは、野村アセットマネジメントのレポートである。このレポートの書き手はCIO(運用統括責任者)。1ページのレポートながら、今後の市場見通しについて債券と株式に分けて簡潔にコメントがまとめられていた。金融機関の担当者が実務的に参考できる分量であり、その点が評価できる。

その他、ドイチェアセットのレポートは欧州側からの視点が、HSBCのレポートは同社が強いアジア地区の資産クラスの分量が多いなど、特徴のある内容になっている。

英ポンドの見通しは暗いが米国・EUへの影響は限定的