テレビ報道をきっかけに続々とレオパレス21の問題が明るみに出ています。当初は「壁が薄い」という入居者の不満が注目されていた程度でしたが、やがて土地オーナーに提供するビジネス手法の問題にまで発展しているのが、「レオパレス問題」です。

業界内の一部では「ついに明るみにでたか」という声も聞かれるほどですが、不動産投資全体にも影響を及ぼしつつあるこのレオパレス問題とはどのようなもので、その本質とは何でしょうか。

そもそもレオパレス問題とは?

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(画像=shigemi okano/Shutterstock.com)

レオパレス問題について箇条書きで整理してみました。

・土地オーナーにサブリース契約(30年一括家賃保証)でアパート建築を持ち掛ける
・レオパレス21がアパートを建築し、オーナーに納品するも、施工に不備があることが発覚
・近隣にもレオパレス21案件でアパートを建てるため、競争力が低下し、結果的に入居率も低下
・入居率が低下すると、レオパレス21側でサブリースの家賃保証を大幅に減額

これら一連の流れで、最も損を被っているのはアパートを建てたオーナーです。テレビ報道によると、当初は165万円とされていた家賃保証額が2万円にまで減額された事例もあるようで、オーナーの立場としては目を疑うような減額ではないでしょうか。

そして次に損をしているのは、レオパレス21が施行したアパートの入居者です。本来設置すべき界壁が設置されていないといった手抜き工事が続々と発覚し、「隣の部屋から音が聞こえすぎる」と言われていた噂が真実であることが分かりました。
界壁がないと防火性能にも重大な影響を及ぼすため建築基準法に違反します。居住できないアパートと認定されたことで、全国約1万4,000人の入居者が引越を余儀なくされることになりました。

問題が次々と噴出したため、レオパレス21の株価は2018年4月の1,000円近くから続落し、2019年2月現在、240円付近にまで落ち込みました。この株価下落で、株主も損を被りました。

オーナーにとって諸悪の根源はサブリース契約と近隣のアパート建築

このレオパレス問題でオーナーを最も苦しめているのが、サブリース契約です。サブリースは入居者の有無にかかわらず一括借り上げで家賃を支払うため、オーナーにとってはリスクヘッジになります。ただし、サブリース業者も家賃保証から発生する損を避けるために賃貸状況に応じて家賃を調整します。

この仕組み自体に問題はないのですが、レオパレス問題では近隣に類似のアパートを乱立させたことで入居率が下がってしまったことです。家賃保証額を減額させるために、近隣にアパートを乱立させ、意図的に入居率の低下を引き起こした、と言われても仕方ありません。というのも、入居率が下がった場合に、レオパレス21側で家賃保証額を減額できる契約になっていたからです。

地主、オーナーとともに繁栄する精神の欠落

こうした一連の商法によって、本来であればオーナーが得るはずの利益まで吸い上げて、レオパレス21は大きな利益を上げています。オーナーに利益を上げてもらって共存共栄するという精神があれば、オーナーを追い詰めるような構図にはならなかったはずです。

レオパレス問題はまだまだ鎮火する気配を見せておらず、騙された思うオーナーや引越を余儀なくされた入居者が、今後どのような行動に出るか分かりません。不動産会社とオーナーにとって最も必要なのは共存共栄の精神であり、そこから生まれる信頼関係がなければ双方にとってビジネスはうまくいきません。

レオパレス問題が、不動産投資における、あるべき姿を改めて考えさせられる事件であることは間違いないでしょう。(提供:オーナーズ倶楽部