接待のときの飲み代や雑費など、自営業者は経費が幅広く認められているため、「サラリーマンの場合、経費の自由度がなく不公平だ」と感じている方もいるでしょう。しかし、サラリーマンでも仕事に必要な経費であれば、多くの費用を経費計上できます。今回は、サラリーマンでも経費にできる費用の種類と、確定申告時のポイントについて解説します。

あれもこれも……サラリーマンの経費として認められる8項目

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(写真=Elnur/Shutterstock.com)

サラリーマンの経費を認める制度の正式名称は「給与所得者の特定支出控除(国税庁 No.1415)」です。次の8項目の経費を計算して確定申告することで、払い過ぎた分の税金が戻ってきます。

1.会社と自宅の通勤費
2.転勤に伴う転居費
3.仕事に直接必要な技術や知識を得るための研修費
4.仕事に直接必要な資格取得費
5.単身赴任地と自宅を行き来する帰宅費
6.仕事に係わる図書費(書籍や雑誌など)
7.制服・事務服・作業服など勤務地で着用が必要な衣服費
8.得意先への贈答・接待の費用
※計算方法や申告方法は、本稿の最終項をご参照ください。

上記のうち、1から5は、大企業だと充実しているケースが多いでしょう。これに対して、中小企業やベンチャー企業は会社が完全にフォローできず、従業員の個人負担になっているケースもあるのではないでしょうか。そんな方は、確定申告でぜひ取り戻したいところです。6から8の項目は、2013年度分以降に認められるようになった経費です。

たとえば、専門職の方が知識を増やすために買った本、営業マンの仕事専用スーツや客先との飲み会(ただし、勤務先が補填していない分に限る)などが経費計上できると考えられます。

キャリアアップを目指す方にはうれしい研修費や資格取得の経費

では、8つの項目の中から、補足が必要なものをいくつかピックアップします。はじめに「会社と自宅の通勤費」ですが、これは通常、会社で負担するので個人負担はほぼないと思います。しかし、規定の通勤費を超えて自己負担している分がある場合は、経費計上すべきでしょう。また、仕事に必要な技術や知識を得るための「研修費」と「資格取得費」は、キャリアアップを目指す方には助かります。

「仕事に直接必要」と合理的な説明ができる研修や資格は、経費として幅広く認められる可能性があります。国税庁の解説には、「2013年分以後は、弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費も特定支出の対象」とあります。将来、士業として独立するために勉強したいという方には朗報です。また、営業系の職種の方が見逃せないのが、「図書費」「衣服費」「贈答・接待の費用」などでしょう。

今まで、これらの経費を自腹で負担していた方も多いのではないでしょうか。たとえば、コンサルタントが顧客と話すために勉強目的で購入している経済誌なども対象になる可能性があります。衣服代は、仕事専用のスーツであれば該当すると考えられます。贈答・接待の費用は、会社に申請できていない顧客へのお歳暮・手土産があれば、この制度でカバーしましょう。

実際に、サラリーマンの必要経費を申告するには?

最後に利用時のポイントですが、ここで紹介してきた「特定支出控除」は、給与所得控除後の所得金額から差し引いて計算します。このときに差し引ける金額は、「給与所得控除×2分の1」です。この計算を行って確定申告をすれば、払い過ぎていた分の税金が還付されます。なお、確定申告には次の書類の添付が必須となります。

・給与所得の源泉徴収
・計上する経費の明細書
・経営者など給与支払者の証明書
・搭乗や乗車乗船に関する証明書や領収書

これらの手続きに自信のない方は、管轄の税務署の窓口・電話に相談しながら進めるとスムーズでしょう。(国税税庁Webサイト:詳しくはこちら)一度、確定申告をすれば、翌年以降はルーティンで処理しやすくなるでしょう。ここで取り上げた8項目の経費がかさむ方は実行することをおすすめします。(提供:アセットONLINE

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