1棟モノのマンションを買って億単位の借金を背負うこともある不動産投資。ローンとの関係は切っても切り離せません。滞納せざるを得ない状況にはなりたくないものですが、最悪のシミュレーションをしておけば、少しは不安が解消されるかもしれません。もしローンを滞納したらどのような流れになるのか紹介します。

まずは金融機関との話し合い

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(写真=PKpix/Shutterstock.com)

ローンは金銭消費貸借契約という、れっきとした契約です。約束した期日に支払うことになっているので、滞納は契約違反になります。そのため、滞納した場合、まずは金融機関から催促の連絡が来ます。「今月分の引き落としができていません。口座の残高を確認していただけますか」などと、やわらかい物腰で返済の催促をして来るでしょう。それでもすぐに支払わない場合、次は書面で請求されます。

「○月○日に支払うはずだった分の○円を早急に支払ってください」といった書類が送られてくるのが一般的です。この時点で返済計画を見直し(リスケジュール)、解決することもあります。ここまでは、まだ相談で解決できるというレベルで、それほど深刻な感じはしません。しかし、次の段階である「期限の利益喪失通知」が届くと、状況は一変します。

なぜなら、期限の利益を喪失すると残りのローンを一括で支払わなければならなくなるからです。タイミングとしては滞納し始めてから3~6ヵ月ほどが目安になります。期限の利益とは、支払いを毎月の約定返済日に支払いできる権利のこと。「あなたは期日までに支払うという契約を違反したので、もうこの分割払いのオプションは使えません」というお知らせが「期限の利益喪失通知」です。

一括返済ができない場合(できないから滞納しているのですが)、担保権にもとづいて競売にかけられます。

競売よりも早く高く売る任意売却

そのままだと強制的に競売にかけられることになりますが、その前に任意売却という方法で売れることも少なくありません。略して「にんばい」とも呼ばれます。ローンを組むときには物件を担保に入れるのが一般的です。この場合、金融機関が担保権者となります。担保権とは、「返済してもらえないときに対象物件を売却していい」という権利です。この売却に使われるのが競売になります。

金融機関はローンを支払い終えるまで、担保権を手放さないのが一般的です。しかし、交渉によってはローンが残った状態でも担保権を外してくれることがあります。これが任意売却です。そのためには、金融機関が納得のいく価格で売る必要があります。競売は裁判所が窓口となりますが、任意売却は通常の不動産の売買と同じように、宅建業者が仲介して売買を行います。

そのため、競売よりも早く価格も高めに売れる可能性があるのです。しかし、任意売却は金融機関と売り主、買い主という三者の利害を調整しなければならないので、一般の不動産売買とは違った専門性が求められます。相談するのであれば任意売却専門の不動産業者がよいでしょう。

競売になり、最後は借金が残る

期限の利益を喪失し、任意売却を行わないと物件は競売にかけられます。競売は、担保権者が申し立てます。その後は裁判所が競売の開始を決定し、「評価額がどのくらいになるか」「建物の状態はどうか「人が住んでいるかどうか」などを調査し、期限の利益喪失からおよそ半年から1年後ぐらいに入札がスタート。入札がなければ特別売却という方法で売りに出され、それでも買う人がいなければ再び入札が開始されます。

購入する人が決まったら、1~3ヵ月ほどで不動産の名義が変更。この時点で物件は、もとの所有者のものではなくなります。競売や任意売却をしても、売却代金だけで返済しきれないローンは残ったままです。残りは分割で返すか、状況によっては自己破産することもあります。

危ないと思ったら早めに相談する

ローンを滞納したときのシミュレーション、なんとなくイメージできたでしょうか。競売になると低い価格で落札される可能性があります。滞納しそうになったら、早めに任意売却の専門業者に相談することで、傷口を浅くできるかもしれません。 (提供:アセットONLINE

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