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(画像=Burdun Iliya / Shutterstock.com)

預金者であるご主人が亡くなり、奥様は手書きの遺言書を発見したそうです。この場合、奥様はどのような手続きが必要ですか。また、金融機関は手続き上、何に留意すべきでしょうか。

相続発生後に遺産分割を進める基準として、法律で法定相続人とその相続分について定められていますが、特定の相続人に多く相続させたい場合や、相続人以外の人に遺贈したい場合等、被相続人の生前の遺志を遺産分割に反映させるのが「遺言」です。

遺言は、紙に書けば何でもよいというものではなく、民法に定める方式に従わなければなりません。一般的に利用されているのが、自筆証書遺言と公正証書遺言の2つの方式です。

①自筆証書遺言

遺言者が自分で書いた遺言書のことです。パソコン・ワープロでの作成は認められません。遺言の内容だけでなく、日付および氏名のすべてを自筆で書き、押印しなければいけません。

書き違えたとき、追記したいことが出てきたときは「〇字削除」「〇字加筆」等を該当箇所近くに付記し、該当箇所を1本線で消して、署名とともに押印した印鑑と同じものを押印します。

自筆証書遺言のメリットとしては、費用がかからない、遺言内容を秘密にできるといった点です。デメリットとしては、遺言書が相続人に見つけられなかったり破棄されたりするおそれがあること、本人が書いたものかどうか争点になることもあること、相続発生後に家庭裁判所の検認が必要であることなどです。

なお、自筆証書遺言については、最近成立した改正法によれば、大幅に要件が緩和されることになっています。

②公正証書遺言

公正証書による遺言のことです。証人2人の立会のもとに、遺言者が遺言の趣旨を公証人に伝え、公証人がそれを筆記し、これに遺言者、証人および公証人が自署押印することにより作成します。公証人が法律上適法かどうかをチェックしたうえで、遺言者本人の意思に基づいた内容であることを公的に証明しますので、遺言の中で最も信頼できる方式であるといえます。

公正証書遺言のメリットとしては、家庭裁判所の検認が不要であること、公証人役場に原本が保管されているので、紛失しても再発行請求ができることなどです。デメリットとしては、一定の費用がかかる、内容を公証人と2人の証人に知られるといった点です。

検認済証明書で検認が行われたことを確認