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(画像=Yuganov Konstantin / Shutterstock.com)

母親が1人で窓口に来店して「小学生の子供の口座を開設したい」と言ってきた…

今回のケースを検討する前提として、未成年の子供(未成年者)をめぐる法律上の規定について確認しておきましょう。

民法は、「年齢20歳をもって、成年とする」(民法4条)と定めており、現行法上、20歳未満の者は未成年者として扱われます。そして、民法は、一部の例外を除き、未成年者が法律行為を行うにはその法定代理人の同意を得なければならず、その同意がない法律行為は取り消すことができると定めています(民法5条)。

これは、未成年者は、成年者と比べて判断能力等が未熟であることから、未成年者が単独で法律行為を行う際、その保護者である法定代理人の同意を必要とする(反面、その同意がない法律行為は事後的に取り消すことができるとする)ことで、未成年者の保護を図ったものです。

未成年者の法定代理人とは、基本的に親権者を指します(民法824条)。未成年者の父母が婚姻中である場合には、その父母が親権者となり、原則として親権は父母が共同して行う必要があります(民法818条1項、3項)。父母が離婚等で婚姻関係にない場合には、いずれか一方が親権者となります(民法819条)。親権者がいない等の場合には、未成年後見人(民法838条、839条)が法定代理人となります。

未成年者の法定代理人は、前述のような未成年者の法律行為の同意権(民法5条1項)や同意のない法律行為の取消権(民法5条2項、120条1項)のほか、未成年者が単独で行った法律行為を事後的に認める追認権(民法122条)や未成年者を代理する代理権(民法824条)を有しています。

公的書類の提示を受けて親権があることを確認