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前回で社長や後継者など経営者の資質を見るポイントが分かりましたが、どのように実践するのか具体例で教えてください。

第16回に続き、経営者の資質に関して述べる。今回は、危うく経営者の資質を見誤り、実は事業性豊富な優良企業を一時的な業績悪化に惑わされ、取引を失うところであった事例を紹介する。

1.概要

地方に本社・工場を置き、関東地方での売上が6割を占めるという会社である。本社を担当する営業店に私が次長として着任する直前、関東営業部長が支社の従業員を引き連れて独立。取引先も奪われ、いきなり6割の売上を失い危機に陥っていた。

前回の図表「経営能力」→「社内外の評判は?」で触れたように、中小企業では、取引先との関係は会社とではなく、営業担当者個人とのつながりでようやく維持されているといったケースが多いことに留意する必要がある。

経営者の資質を見るポイント
(画像=近代セールス)

前任者の言葉を借りると「精力的に仕事をこなす優秀な社長と評価していたが、好業績にあぐらをかき従業員を大切にしなかった結果、離反を招き危機に至った」というのだ。「売上の短期間での回復は困難で資金繰り破綻の可能性があること」、「経営者がワンマンで経営資質に疑いがある」の2点から、保全重視で基本的に撤退する方針で本部とは協議済みという。

現場訪問で前評判と違う会社の活気に気づく