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(画像=Ivelin Radkov / Shutterstock.com)

解説

南紀銀行は、債務超過の会社のM&Aは難しい(売却価格がつかない)と考え、串本商会の買い手を積極的に探そうとしなかった。営業店の新宮さんにも、本部の専担者から「債務超過が解消するまで待とう」という方針が伝えられた。

南紀銀行のように、バランスシートから会社の良し悪しを判断する金融機関はまだ多い。債務超過が解消すれば売却価格が高くなることは確かだ。しかし串本社長としては、自身の年齢を考えて、早く借金の重荷から解放されたいことだろう。

債務超過の状態では、投資をしたくても金融機関は融資をしてくれない。だから利益は増えず、債務超過解消にはどうしても5年はかかる。債務超過が解消する5年後には、串本社長は75歳を超える。

南紀銀行は、こうした串本社長の悩みに寄り添うことなく債務超過を解消するように言うばかりだった。そんなとき鳥羽銀行は、南紀銀行とは異なる見方をして串本商会の買い手を紹介した。鳥羽銀行は、買い手に対して「串本商会に問題がない」ことをきちんと説明したに違いない。

南紀銀行も、「債務超過は怖くない。営業利益(キャッシュフロー)が毎期プラスなら問題はない。金融商品が損失を出したにすぎず、事業には何の問題もない」という見方をしていれば違う対応ができただろう。

社長は債務保証のために仕事を継続している!?