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(画像=ChooChin / Shutterstock.com)

商業登記を確認する際には履歴事項全部証明書だけでよいか

ひと言で商業登記といっても、登記事項証明書には「現在事項証明書」「履歴事項全部証明書」「閉鎖事項証明書」等がある。

現在事項証明書は、現在有効な登記事項に内容が絞られているため、すっきりして見やすい反面、抹消事項については一部を除いて見ることができない。

一方、履歴事項全部証明書では商業登記規則30条1項2号に基づき、過去約3年間の抹消事項の表示があり、例えば「期間中の役員の解任」といった企業側にとって不都合な履歴情報も確認できる。そのため、顧客から直接商業登記を徴求する場合を含め、現在事項証明書ではなく履歴事項全部証明書を入手することが望ましい。

ただし、履歴事項全部証明書でも、その履歴が「すべてではない」ということを、皆さんはご存知だろうか。登記所(法務局)をまたぐ本店移転があった場合、前本店時の情報は「閉鎖登記」扱いとなり、現本店地での履歴事項全部証明書には記載されなくなる。

平成24年5月以前は、商業登記上の会社法人等番号(12桁の企業識別コード)が登記所をまたぐ移転のたびに新しく付番されていた。このため、「取り込み詐欺」を計画する悪意ある者がわざわざ登記所をまたいで本店を移転させ、登記を「洗浄」していたことは、信用調査会社では常識である。

登記所をまたいで移転している場合でも、前本店地の商業登記は閉鎖扱いながら、確認が可能である。少しでも疑わしいと感じたなら、前本店地の「閉鎖事項証明書」を確認しよう。

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