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(画像=Andrey_Popov / Shutterstock.com)

後継者が株式を引き継ぐにあたり、活用したい事業承継税制の基本やアドバイスポイントを解説する。

ここでは、事業承継税制について最新の改正も含めて見ていこう。

①事業承継税制とは

事業承継税制(以下、本制度)とは、後継者が非上場株式等を贈与または相続等により取得した場合に、その贈与税または相続税の納税を「猶予」できる制度である(さらに要件を満たせば猶予された贈与税または相続税が「免除」される)。

株式の承継時に高額な税負担を強いられると、事業承継が進まない。本制度はその税負担を猶予する代わりに猶予期間中、会社を継続させる等、厳格かつ詳細な要件を求めるものだ。

もし、要件未達、届出等の手続きの失念、その他一定の確定事由に該当する場合には、猶予された税額の全額または一部と利子税を併せて「納付」しなければならない。

一方で猶予税額が「免除」されるのは、贈与税の納税猶予制度では先代経営者等(贈与者)または後継者(受贈者)の死亡等一定の場合、相続税の納税猶予制度では後継者(相続人等)の死亡等一定の場合と決められている。

加えて贈与税の納税猶予制度から相続税の納税猶予制度に切り替えることもできる。贈与税の納税猶予制度適用中に贈与者が死亡した場合、納税を猶予していた贈与税が免除されるが、後継者がその株式等を相続等により取得したものとみなされ、贈与時点の株式評価額が相続税の対象となる。このとき、相続税の納税猶予制度に切り替えることができるのだ。

正直いって猶予税額の「免除」までの道のりは長い。労力を費やして、納税を先延ばしして、免除事由が生じたときに要件(手続き含む)を満たすことで初めて納税免除の土俵に乗ることができるのだ。しかも、猶予税額の一部しか免除されない場合もある。納税を猶予できれば当然に猶予税額全額が免除されるわけではないということをしっかりアドバイスしたい。

現在は新旧制度が併存している状態