目次

  1. 従前の広大地評価とは
  2. なぜ「広大地評価」が「地積規模の大きな宅地の評価」に変わったのか
  3. 地積規模の大きな宅地評価の評価方法及び適用要件とは
  4. 地積規模の大きな宅地評価の評価の効果
  5. 新たに地積規模の大きな宅地評価が適用できるようになった宅地
  6. 相続発生前に検討すべきこと
  7. 相続発生後に検討すべきこと
  8. 金融セールスの方々においては
元野村證券PBの税理士が語る 金融セールスのための税制講座(8)地積規模の大きな宅地の評価について
(画像=ZUU)
佐野 比呂之
佐野 比呂之(さの・ひろゆき)
佐野比呂之税理士事務所、合同会社パープル・リングス代表。1998年、立教大学経済学部卒業。複数の中小税理士事務所に勤務。2006年、中央大学国際会計研究科修了MBA取得。税理士登録。2007年、税理士法人プライスウォーターハウスクーパース(PwC)入社(一時期、野村證券へ派遣)、主にオーナー企業向け税務顧問及び事業承継業務、国際相続案件に従事。2011年、野村證券株式会社にて上場・未上場企業オーナー向けプライベートバンキング業務に従事。2014年、佐野比呂之税理士事務所を開所。2015年、合同会社パープル・リングスを設立。税理士、行政書士、CFP、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、証券外務員一種(内部管理責任者)。

相続税の申告において、一番評価差額が発生しやすいものとして土地の評価(特に宅地の評価)があります。金融セールスの方の中には土地評価に関し「広大地評価」という言葉をご存知の方もいらっしゃるかと思います。

実はこの「広大地評価」が改正により廃止され、平成30年1月1日からは「地積規模の大きな宅地の評価」として規定され、適用判断が金融セールスの方でも可能となりました。そこで今回はこの「地積規模の大きな宅地の評価」についてお伝えしたいと思います。

従前の広大地評価とは

平成29年12月31日以前の相続等において、近隣の標準的な大きさの宅地面積を大幅に上回る一定規模以上の宅地につき「広大地評価」の適用が可能でした。この広大地評価は非常に評価引き下げ効果が大きく、適用限度である5,000㎡以上の宅地の場合、最大で65%もの評価減となりました。

ただ、この広大地評価の適用に当たっては「その宅地が戸建住宅の建設に適しているか(マンション適地でないか)」「戸建住宅に係る宅地開発において開発道路、公園等の公共公益的施設が必要とされるか」といった、およそ通常の条文判断・解釈とは無関係の要件が課せられていたため、その判断は非常に困難であり、その適用に当たっては通常不動産鑑定士による鑑定評価を用いて判断することが必要でした。

そのため相続担当税理士が保守的に広大地評価不適用として申告した相続税申告書につき、後日、広大地評価適用による税務署への更正の請求を促す通称「更正の請求屋さん」と呼ばれる税理士が多く存在し、その結果次第で当初担当税理士への損害賠償がなされるケースも少なくありませんでした。

【広大地評価】
路線価×広大地補正率×地積
広大地補正率=0.6-0.05×広大地の地積/1,000㎡
※地積が5,000㎡の場合、広大地補正率が0.35となり結果として65%減の評価額となりました。

なぜ「広大地評価」が「地積規模の大きな宅地の評価」に変わったのか