焼肉
(画像=taa22/Shutterstock.com)

社長の強い信念が詰まったニューヨークの直営店

本連載ではこれまで6回にわたり、企業の海外進出トレンドや進出に関する支援ノウハウを解説してきました。今回は、実際の海外進出事例を紹介します。紹介する企業は、東京・中目黒に本社を置く株式会社FTG Company(以下、FTGと表記)。「大阪焼肉ホルモンふたご」の店舗を国内外に展開しています。"ふたご"の文字どおり、李純哲(リ・スンチョル)社長が、双子の弟である李純峯(リ・スンボン)副社長とともに、2010年3月に設立しました。このFTGが2015年にニューヨークで直営店をオープンさせた事例を取り上げながら、飲食店の海外進出成功の秘訣を解説していきましょう。

FTGは「食を通じ世界の人々を幸せに」を企業理念に掲げ、2013年から台湾・香港・中国への進出も果たしていますが、これらは現地パートナーに運営を委託したフランチャイズ展開。「肉料理=Yakiniku」を世界共通語にすることを目指す李社長は、創業当初から世界の中心都市ニューヨークに出店することを目標としていました。

実は、「難しいことだからこそ最初にチャレンジすべき」と、創業から2年目の2012年に、李社長は一度ニューヨーク進出を検討しています。海外経験のない状態で現地視察に出かけ、出店候補物件まで見つけたのですが、物件のオークションで負けてしまい出店を断念。時期尚早として海外進出は一旦保留し、国内出店に力を入れ直してから、改めて挑戦することにしたそうです。帰国後、国内の地盤固め、そして中華圏におけるフランチャイズ展開などを経て、再度ニューヨーク進出を計画したのが2014年の初めのこと。そこから約1年半をかけ、2015年5月に念願のニューヨーク出店を果たしました。最初の挑戦から3年越しの実現です。

FTGが海外進出に成功したのは、まず李社長が進出に対する強い思いを持ち、自ら行動したからこそ。ゼロからの海外進出には相応の時間を要します。経営者の海外進出に懸ける思いが中途半端では、決して成功しないでしょう。

日本式の焼肉は受けるのか入念なマーケティングを実施