50歳を迎えるころから、60~65歳の定年という会社員のゴールが見えてきます。それを機に、その後の長い人生をどう生きていくかを模索し始める人が多いようです。

会社員として過ごしてきた50歳代の人は、そろそろ次のステージを考え始める時でしょう。このまま、定年延長の流れに乗って65歳まで勤めるのも一つですが、最近は中小企業を買ってオーナー社長になろうという考え方が出てきています(「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 三戸政和著 講談社+α新書」)。

「そんなことができるのか」と疑う人もいると思いますが、以下に概要をまとめてみます。

中小企業を買ってオーナー社長になるという選択

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(写真= GaudiLab/Shutterstock.com)

日本の中小企業は、大廃業時代を迎えています。2018年1月に中小企業庁により発表された「中小企業・小規模事業者政策について」によると、中小企業経営者のリタイアする平均年齢は70歳で、今後10年でその年齢に達する経営者は約245万人、その約半分の127万人は後継者が決まっていません。

中小企業とはいえ、そこには従業員とその家族がいます。これをそのまま放置しておくと、2025年頃までの累計で約650万人の雇用と、約22兆円のGDPが失われる可能性があるそうです。

このような状況下で、定年前後の人が廃業を余儀なくされる会社の「箱」を買って、資本家になろうという発想です。

かつてベストセラーになったロバート・キヨサキの「金持ち父さん・貧乏父さん」に、キャッシュフロー・クワドラントという考え方が出てきます。

これはお金を得るパターンは以下の4つに分類される、というものです。

①:E(Employee:従業員) 
②:S(Self Employee:自営業者)
③:B(Business Owner:ビジネス・オーナー) 
④:I(Investor:投資家)

会社法上は異なりますが、会社役員も①の従業員でしかないのです。

「中小企業を買ってオーナー社長になる」は、③のビジネス・オーナーになるということです。ここで重要なのは会社の「オーナー」になるということで、これは会社の発行済株式をすべて自分が所有する、ということです。こうすることで、自分の意のままに会社経営を行うことができます。

会社員としての「自分のキャリアを生かす」という選択

一様に決められた流れに乗るだけでなく、自分のキャリアを生かして、人生のセカンドステージでやりたいことをやる生き方が実現できる時代になりました。

やりたいことをやるためには、お金が必要であることは言うまでもありません。そのために、リスクをできるだけ低く抑えながら、会社を買ってビジネス・オーナーになるという選択肢もあるのではないでしょうか。

「起業」と「会社を買うこと」は、似て非なるものです。

「起業」は自ら会社を興し、まったくのゼロから始めますが、「会社を買う」とは、すでにある顧客や従業員、オフィスや工場などの経営基盤を引き継ぐことです。どちらがリスクが低いかは、説明するまでもないでしょう。

今まで企業の管理職を勤めてきた人であれば、部下を5~20人くらい束ねた経験があるはずです。ある程度の企業では当たり前にある仕組みが、中小企業ではまったく導入されていないケースも散見されます。このようなマネージメント経験を活かすことで中小企業を活性化できれば、社会貢献にもなります。

どこで情報を得るか

現在廃業を考えている会社の情報は、どこで入手できるのでしょうか。

以前は、投資銀行や日本M&Aセンターのような大手は、ある程度の規模の会社しか取り扱わず、今回のターゲットである中小企業の情報を探す手段はほとんどありませんでした。彼らからすると、買収金額によって手数料が決まるので、買収の規模が小さいと旨味が少ないのです。

しかし近年は、中小企業のM&AをマッチングするWebサイトが出てきています。買い手候補としてサイトに登録すれば、売り手企業の情報を見ることができます。

また、各都道府県の商工会議所には「事業引き継ぎ支援センター」があります。ここでは中小企業のM&A支援の経験豊富な専門家が、会社を売る・買うそれぞれの立場に立って無料でアドバイスを行います。

近くのセンターに登録することで、都道府県をまたがった案件にもアクセスすることができるので便利です。しかし、売買の割合は、売7:買3程度ですので、すぐに買いたい、という場合は、民間のサイトを使ったほうが素早く動けるようです。

最後は投資家の道へ

「会社を買う」ことは、リスクを伴うということを十分に理解しておく必要があります。これまでのM&Aといえば、弁護士にデューデリジェンスを依頼し、会計士に企業価値を算定してもらうなど、非常に手間と時間のかかるものでした。

しかし、ごく小規模の会社であれば、このような手続きを飛ばして相対取引で値段を決めることになります。「会社を買う」ことは、リスクをコントロールしながら会社経営に参画するのも老後資産を得る方法でもあり、またセカンドキャリアの選択肢の一つでもあるのです。

これがうまくいけば、いくつかの会社を束ねて、キャッシュフロークワドランドの最後のステージである「投資家」が見えてくるかもしれません。(提供:WEALTH WINDOW

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