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(画像=Gunnar Pippel/Shutterstock.com)

年金をベースに、お客様に合わせた老後資金対策のアドバイス法を解説する。

case 1 60歳で完全リタイアしたいと考える会社員のお客様
繰上げ受給や個人年金の活用と併せて65歳以降の計画も助言

本ケースにおいて、まずお客様に伝えたいことは、「公的年金は原則65歳からの支給である」という点だ。お客様ももちろんこれを認識したうえでリタイアを希望しているのであろうが、改めて確認しておきたい。

正確には、国民年金からの老齢基礎年金は原則65歳より、厚生年金からの老齢厚生年金は男性で昭和36年(女性で昭和41年)4月2日以降生まれの人は原則65歳より支給となる。したがって、本ケースのように現在プレリタイア層のお客様であれば、公的年金は原則65歳からの支給開始と考えて差し支えないだろう。

すなわち、「特に備えをしないで60歳で完全リタイア」をしてしまうと、65歳までの5年間は「無収入」となってしまうことを、今一度しっかり認識してもらいたい。そのうえでリタイア後、5年間でどの程度の生活費が必要になるかをシミュレーションしたい。

その結果、現状を把握して、お客様に十分にその蓄えがあるというのであれば問題ない。しかしそれがないということであれば、60歳での完全リタイアについて検討し直してもらう必要がある。

シミュレーションと現状把握の結果、「不安なのでやっぱり65歳まで働く」ということであれば、改めて、60歳以降も働くことを前提にプランを組み直すことになる。一方で、「現状蓄えはないが、どうにかして60歳で完全リタイアしたい」ということであれば、その意思は極力尊重したい。ただ、そのためには相応の対策が必要である。

その際、対策として候補となるのが「繰上げ受給」と「個人年金保険」である。

5年間の生活費を確保する手段をまず検討