現在住宅ローンを組んでいる人の中には、マイナス金利導入後の低金利な水準で契約を結んだ人もいるはずです。

日本銀行は2013年からインフレ目標を2%と掲げ、さまざまな金融政策を続けています。インフレになれば当然金利も上昇し、物価も上がりますから、今と同じようなお金の感覚ではなく、インフレに合わせて今から備えておくことが重要なのです。

当時と比較すると現在は金利水準が少しずつ上向きになっていますし、将来的にインフレの影響によって金利水準が上がれば、住宅ローン金利にも影響が出てくる可能性も否めません。そこで、将来の金利上昇に備えて今のうちからやっておきたい2つのことがあります。

金利上昇が生活に与える影響

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(写真=Andrey_Popov/Shutterstock.com)

過去30年の間、低金利の状況が続いていたこともあり、金利水準が高い時代に自立して収入を得た経験がある割合は少ないはずです。50代なかばの人は不況時に社会人になった世代ですし、30代の人たちは不況の中で誕生しています。金利上昇局面や金利が高い状況を知らずに育ち、独立し、家族を養ってきました。そのため、金利が上昇するとどのようなことが起きるのかイメージしづらい人もいるはずです。

金利上昇局面ではモノやサービスの対価として払う金額が高くなります。例えばインフレ目標が2%/年となれば、今年100円で購入できたものが翌年には102円、10年後には120円でしか購入できなくなるため、円の価値の目減りしてしまいます。

さらには、預金金利や借入金利も上がります。預金金利が上がれば、預金で預けておいてもリターンが増えるメリットもありますが、借入金利も引き上がります。例えば、教育ローンやフリーローン、自動車ローン、そして住宅ローンなどの適用金利があがるので、借金の総支払額が増えることに繋がるのです。

当然、多くの家庭において住宅ローンが一番大きな借金になるのではないでしょうか。住宅ローンは人生の三大支出のひとつですから、マイナス金利導入後にマイホームを購入した人も多いはずです。その中でも、変動金利の住宅ローンや借入後固定金利期間終了後に金利情勢にあわせて住宅ローン金利が決まる変動金利の掛け合わせプランの場合は、金利の影響を受けて総返済額が跳ね上がる可能性も捨てきれません。そうなれば子どもの教育費や自分たちの老後資金など、ライフイベントにあわせたマネープランを立てようにも見通しが立てづらくなってしまいます。そのため、住宅ローンについて今のうちから見直しをしておくほうがよいと考えられるのです。

住宅ローンの2つの見直し方

金利上昇に備えて、住宅ローンについて2つのことを検討しましょう。

まず、あなたが変動金利の住宅ローンを契約している場合には、固定金利の住宅ローンへの借り換えを検討しましょう。全期間固定金利の場合、変動金利よりも借り入れ利率は高いケースもありますが、金利が固定されるので将来のマネープランを検討しやすくなります。

ただし、住宅ローン金利を変動金利から固定金利に変動する場合には、商品性に注意が必要です。全期間固定金利のものであれば、30年や35年の間ずっと金利が固定されます。しかし、固定金利の中には当初決められた期間の間は金利が固定されるものの、固定期間終了後には金利が変動するものもあります。さらには固定金利の場合でも契約書に『金融情勢の変化その他相当の事由が発生した場合、適用金利が見直される場合がある』と記載されていることもあるので、予めよく確認しておくほうがよいでしょう。また、借り換え時には諸経費もかかりますし、収入や勤続年数、借り入れ金額の状況によって審査が通らないケースもゼロではないことにも注意しておきましょう。

また、変動金利で住宅ローンを契約している人は早期返済も視野に入れましょう。早期返済とは任意で自分で決めた金額を返済することをいいます。早期返済によって借入金が減り、利息が再計算されるので総返済額が圧縮されます。急な離職や病気による求職など、突然入り用でお金が必要になる場合もありますが、住宅ローンの早期返済に充ててしまって手元に資金がなく別途新たな借入が必要になってしまうのは本末転倒です。大体3ヵ月から半年ぐらいの生活費を準備した上で早期返済をするのがよいでしょう。

金利上昇に備えてできる対策を早めに取ることが重要

住宅ローンの見直しを行い、総返済額が圧縮できれば圧縮された金額分を別のことに使えるようになります。さらに借入期間が短くなることで住宅ローンに対する心理的な負担も解消されるはずです。先行きが不透明な世の中、将来の金利上昇に備えて早めに対策をとることが肝要なのではないでしょうか。(提供:ANA Financial Journal

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