日本での不動産投資は、物件価格の上昇、金融機関の融資姿勢の変化など、投資として魅力が少しずつ薄れているのが現状です。一方、世界に目を向けると先進国として米国、新興国としてフィリピン、ベトナム、マレーシアなどの不動産投資が注目されています。

特に企業オーナーや高所得層にとっては、所得税をいかに下げるかが大きな課題となるケースがあります。それを解決する一つの方法として、海外に不動産を持つ方法が注目を浴びています。中でもカントリーリスクが少ない米国において不動産投資を行うことは一考に値します。今回は米国不動産投資にスポットを当てます。

米国に不動産を持つメリット

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(写真=ponsulak/Shutterstock.com)

米国に不動産を持つメリットは、大きく分けて3つあります。

一点目は、外貨(USD)建て資産を持つ、ということです。日本人の多くが円建て資産しか持たないケースが本当に多いですが、投資の原則である「分散投資」の観点からも通貨の分散を考える必要があります。その点では、米国に不動産を持つことで分散投資の考えにもマッチすると言えます。

二点目は、物件の地域にもよりますが、消費者物価指数(CPI)を上回る価格上昇を起こしている地域があります。もしそのような地域に物件を購入できた場合、キャピタルゲインを得ることが可能です。

三点目は、所得税の節税対策に有効という点です。これは米国と日本の国土の大きさの違いから説明できます。人口密度の違いでは、日本では335人/km2ですが、米国は33人/km2とおよそ10倍の差となります。したがって、米国では土地と建物では、建物に価値があると考えます。日本では全く逆の発想で、建物より土地の価値が高いと考えます。

例えば米国では、土地と建物の割合は、約2~3:8~7といった割合になります。この建物自体に価値がある、という特性を生かし、減価償却を考えます。米国人は物件の所有期間は短く、平均5~8年で、人生のうち7~8回引っ越しを行うとされています。さらに中古の木造物件はメインテナンスを繰り返すことで、長い場合100年近く住むことができる物件もあります。

では、日本人が米国で物件を購入した場合の税法の扱いを見ていきましょう。
日本の所得税法は、全世界所得課税、という方法を取っています。所得に課税する根拠や海外での所得を人的関係に求める考え方で、属人的ともいえます。従って世界のどこで所得を得ても日本の税法で申告することが求められます。

これを米国の中古物件に当てはめて考えると、築22年以上の木造物件に関しては、日本の減価償却の耐用年数を超えていますので、4年という加速度償却が使えます。不動産投資を行う際には減価償却を如何に使うかが成功のカギと言えます。その点で米国の中古物件が有利なのです。

不動産投資先としてのテキサス州

では、米国に不動産投資を行う上で注目を浴びているエリアはどこなのでしょうか。それはアラスカに次いで米国で2番目の大きさのテキサス州です。テキサス人はテキサスに対する郷土愛が強い人が多く、他の州への移動が少ないことでも知られています。人口は最新調査の2010年の結果によると、人口は約2,500万人でカリフォルニア州に次いで全米2位です。

特にシェール革命と呼ばれる今まで採掘が困難なシェール層から原油や天然ガスを採掘する方法が開発され、人がますます集まる構造となっています。特に州最大の都市ヒューストンや大量の埋蔵量があるといわれているイーグルフォード、運搬のハブとなる港町コーパス・クリスティなどが今後の注目地域とされています。

このように第二のゴールド・ラッシュと呼ばれるシェール革命で、それに付随する新たな雇用が生み出され、それに伴う住宅保有率の上昇、不動産賃貸価格の上昇などの現象がみられ、その潜在力はかなりあるのではないでしょうか。

もう一つの注目点は、トヨタの北米本社が、ダラス北部のプレイノにカリフォルニア州トーランスから2017年7月に移転したことです。かつては日本から輸入された自動車を受け取るためにカリフォルニアが地理的に優位でしたが、最近では現地での組み立てが主流となりましたので、空港へのアクセスの良さ、質の高い生活環境などを考慮しての移転となりました。

米国中古不動産投資の注意点

このように良いことばかりのように見える米国への不動産投資ですが、一つ懸念材料があります。それは2015年の会計検査院報告で「国外に所在する中古の建物に関する所得税法上の減価償却について」という報告書がまとめられました。その内容は、簡便法によって計算される建物の減価償却費が実際の使用年月と合致していないと認められ、今後財務省において、国外に所在する中古建物の減価償却のあり方について、有効性、公平性を保つように、との指摘がありました。

現状、この勧告が立法化されるということには至っていませんが、引き続き注視していくことが必要でしょう。

このように海外物件という特殊性から、現地事情に精通し、さらに税制改正などにも対応できる信頼できるエージェントを使うことが、海外不動産投資を成功に導くカギと言えましょう。(提供:ANA Financial Journal

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