株式投資は基本的には「ハイリスク・ハイリターン」ですが、近年のIPO(新規公開株)投資に関しては、「ローリスク・ハイリターン」の傾向があります。あまりに人気が高いのでそう簡単にIPOを手に入れることは出来ません。入手するためには少しでも確率を上げる必要があります。

18年のIPOは9割近い勝率、上昇率は2倍

IPO株,有利,手に入れる
(写真=leungchopan/Shutterstock.com)

18年の東京証券取引所でのIPOはトータル89社でした。そのうち、初値(上場後、初めて付いた株価)が公募価格(上場前に投資家がIPO銘柄を購入する際の価格)を下回ったケースは、わずか9社だけでした。勝率はなんと約89%。

そして勝率以上に注目したいのが、公募価格から初値の値上がり率を示す初値上昇率の高さです。平均的な上昇率は約2倍です。18年4月に新規上場したHEROEZ(4382)はAI関連銘柄として人気化し、初値上昇率は10倍を超え、過去最高となりました。

IPO株を買うにはまず「ブックビルディング」に申し込む

IPOを希望する会社は証券取引所に上場を申請します。東証1部、2部、JASDAQ、マザーズ市場など、市場によってそれぞれの審査基準があり、条件をクリアした会社だけが新規上場することができます。

承認されると上場までのスケジュールが告知され、公募価格の仮条件が決定します。公募とは上場時に不特定多数の投資家に新たに発行される株式を売り出すことです。機関投資家へのプレマーケティングや類似会社との比較を通じて、適正な公募価格の仮条件が決まります。一般的に、仮条件は例えば「1500円〜1700円」といったように幅をもたせて設定されます。

仮条件が決定すると、投資家の需要動向を積み上げるブックビルディングが幹事証券会社(新規上場する会社の支援業務を担う証券会社)にて始まります。IPOを申し込む投資家の最初のアクションは、このブックビルディングに参加することです。ブックビルディングとは、あらかじめ定められた仮条件をもとに、どのくらいの株価で、どのくらいの株数を購入したいかを投資家に聞いて、需要を把握する方式です。ブックビルディングの需給で公募価格が決まります。

公募価格が決定すると、ブックビルディングに参加した人の中から当選者が決まります。証券会社は公募株の配分方法を、抽選によらないで営業的な観点から裁量で配分する枠と抽選枠とに分けます。ネット証券などでは抽選の割合が高く、対面販売の証券会社では裁量の比率が高いなどの傾向があります。抽選でも、完全な同一条件と取引実績を優遇する抽選とがあります。

当選した場合は、購入申込期間中に最終的な申し込みをしなければなりません。申し込みを終え、払い込みが終了すればあとは上場日を待つだけです。

IPO当選確率を上げる4つのコツ

(1)主幹事証券に申し込む
幹事証券の中でも中心的な役割を担う証券会社を「主幹事証券」と呼び、IPOの販売割合も一番多くなります。そのため、主幹事会社に申し込むことが当選確率を上げる基本的なコツとなります。大手証券や大手銀行系証券は主幹事証券となりやすい傾向にあります。

(2)複数の証券会社で申し込む
主幹事だけでなく幹事として参加している証券会社にもすべてに申し込むと、抽選回数が増え、当選確率も上がります。主幹事となる回数が多い証券会社には、家族口座を開設しておき、家族口座でも申し込みすることが効果的だと言えます。

ただし、抽選に申し込むためには申し込み代金に相当する資産残高が必要なところも多く、あまり多くの証券会社に口座を開設しても申込みが出来なければ意味がありません。抽選の参加に入金が必要ない証券会社には口座を開いておいてもいいでしょう。

(3)裁量配分を狙う
ある程度の資産があり、取引実績も豊富なら、証券会社の裁量配分の枠を狙うべきです。対面販売の証券会社は裁量配分比率が高い傾向にあります。また、SBI証券や楽天証券といったネット証券では、申し込み株数が大きいほど抽選の確率が上がる仕組みを採用しています。
もちろん多い株数を申し込むためには、相応の資産残高が必要です。逆に運用資産が少ない場合は、同じ条件での抽選の配分割合が大きい証券会社を選ぶことや、口座数が少ない証券会社を狙うことも一つのコツです。

(4)SBIのチャレンジポイントを有効活用
ユニークなのがSBI証券のチャレンジポイント制度。SBI証券ではIPOに落選しても申し込む度にチャレンジポイントが付与されます。チャレンジポイントを使ってIPOを申し込むと当選確率が上がります。ポイントを使用して申し込みをおこなっても当選しなければ返還されます。申し込み実績を積めばいつかは当たる可能性が高くなる仕組みです。

なお、18年のIPOで初値が公募価格を下回った銘柄には東証1部への直接上場や再上場案件などが目立ちました。公募価格割れしやすい銘柄を分析しておくことも大事でしょう。IPOでも証券会社によって割り当ての方法が違います。なかなか当たらないので難しいですが、辛抱強く申し込むことが大きな利益につながるといえるでしょう。(提供:ANA Financial Journal

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