マイホーム購入と同時に「住宅ローン」を背負う人は多いでしょう。低金利で預貯金をしてもなかなか増えないのがこのご時世。住宅ローンの繰り上げ返済こそ、「究極の資産運用」になる可能性を秘めています。

住宅ローンを資産運用に置き換えて考える

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(写真=Watchara Ritjan/Shutterstock.com)

毎年200万円貯蓄できる家庭が4,000万円のマイホームを現金で購入するなら、20年積み立てが必要です。住宅ローンを利用すれば借金を背負うことになってしまいますが、「4,000万円分貯めるまで住めなかった分」の時間を家族とともにマイホームで過ごせます。

住宅ローンを借り入れると手元の資金は減りませんから、新たなキャッシュフローは生まれるものの、返済にはそれ相応の期間が必要です。日本は低金利が進んでおり、定期預金金利は0.15%ほど。借り入れ金利が2%と仮定すると、定期預金でお金を増やしつつ返済したいと思っても早期返済は難しいのが実情です。投資信託などを活用したとしても、損失を被る可能性も否めず、リスクが伴います。

しかし、住宅ローンを繰り上げ返済すればどうでしょう。借入元本が減って、利息が再計算されるので、将来負担する利息が軽減されます。具体的に、当初4,000万円を2.0%の利率で借り入れて返済し続けて10年経った人が、700万円ある余裕資金のうち500万円繰り上げ返済する場合としない場合を試算すると、その差は216万5,695円。

これは500万円繰り上げ返済することによって216万円の効果を得られることと同義といえます。つまり、繰り上げ返済は新たなリスクを伴わずに高い効果を生み出せる、究極の資産運用だといえるのではないでしょうか。

2種類の繰り上げ返済方法とメリットを知ろう

住宅ローンの繰り上げ返済方法には、返済期間はそのままで毎月の返済金額を抑える「返済額軽減型」と毎月の返済金額はそのままで返済期間を短くする「返済期間短縮型」の2種類があります。

これから入り用が増えやりくりが大変になるなど、マネープランをしっかりと考えたい人には返済額軽減型が向いています。子どもの教育費や介護など毎月の住宅ローンの返済が負担になる人や、これまでダブルインカムでも妻が子育てで忙しくてしばらく働けなくなるという家庭は返済額軽減型を活用し、完済までのキャッシュフローを安定させるのがよいでしょう。

一方、とにもかくにも早く完済したい、借入れ利息負担を軽減したい人は返済期間短縮型を選択しましょう。市場金利によって金利が変動するプランの住宅ローンを契約している人(変動金利、固定金利選択型)も返済期間を短縮することで金利上昇に備えることができます。

2種類の繰り上げ返済がどのように違うのかをシミュレーションすると下記の通りになります。どちらのほうが自分たちの家庭にあっているかを検討してみましょう。

借り入れ額4,000万円(元利金等返済、ボーナス返済なし)借入期間30年、金利2%(固定)で借入れし、返済開始10年後に500万円一部繰上返済した効果

当初返済金額 返済額軽減型 返済期間短縮型
毎月の返済額 14万7,847円 12万2,553円 14万7,847円
返済回数 360回 360回 312回
総返済額 5,322万5,058円 5,215万4,446円 5,105万9,363円

繰り上げ返済、ここを注意しよう

住宅ローンの繰り上げ返済には注意点もあります。一般的に繰り上げ返済はある程度まとまった金額を返済します。しかし、冠婚葬祭や怪我・入院など急な出費が必要な時に対応できなければ意味がありません。余裕資金ができれば繰り上げ返済に回したい人もいるかもしれませんが、万一の時にすぐに使える予備費を生活費の3ヵ月から6ヵ月分程度は準備して繰り上げ返済を検討するのがよいでしょう。

また、上記の例でも分かるように500万円返済しても月々の返済金額は2万5,000円ほどの差です。返済額軽減型はあくまでも長期的に住宅ローンや他の必要資金にもお金が回るようにキャッシュフローを安定させるためのものです。そのため、繰り上げ返済したとしても毎月の返済金額があまり変わらないケースもあります。

加えて、繰り上げ返済するタイミングも重視しましょう。借り入れしてから15年後に500万円返済すると、総返済額は5,176万6,365円(返済期間短縮型)となり、145万8,693円分の運用効果が生まれるのです。

いつ繰り上げ返済するほうが自分にとってよいのかを気に留めておくことが究極の資産運用の第一歩です。住宅ローンを契約中の人は資産運用と同時に繰り上げ返済も候補に入れてみてはいかがでしょうか。(提供:ANA Financial Journal

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