事業活動に社会貢献や環境配慮といった意義を求める社会的な機運が高まっています。そのキーワードとして知っておきたいのが「ESG」と「SDGs」。ESGが企業価値の評価指標として重視され始め、SDGsが企業を評価する共通言語として世界的に広がっています。では具体的にどのような取り組みなのでしょうか。

ESG、SDGsとは?

SDGs,基礎知識
(写真=Alexandros Michailidis/Shutterstock.com)

ESGもSDGsも国連を中心に生まれた基準で、「社会的な課題解決を行う事で事業機会と投資機会が生まれる」という考え方をとっています。

ESGとは、「環境・社会・ガバナンス(Environment Social Governance)」の頭文字を取ったもので、企業が長期的に成長するためにはこの3つの観点が必要だという考え方が世界的に広まっています。そして、これら3つの観点を元に優れた企業活動をおこなっている企業には積極的に投資をすることを「ESG投資」と呼びます。世界的に拡大する環境破壊や労働者の酷使といった人権問題を防ぐことを目的としており、配慮が不十分な企業からは資金を引き揚げてしまおうというものです。

そしてSDGsとはSustainable Development Goalsの略称で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。2015年9月の国連サミットで採択され、2016年から2030年までの国際社会共通の目標を指します。具体的には、17の目標とそれらを細分化した169のターゲット、232の指標として定められています。

その内容を列挙すると、①貧困をなくそう、②飢餓をゼロに、③すべての人に健康と福祉を、④質の高い教育をみんなに、⑤ジェンダー平等を実現しよう、⑥安全な水とトイレを世界中に、⑦エネルギーをみんなに、そしてクリーンに、⑧働きがいも経済成長も、⑨産業と技術革新の基盤をつくろう、⑩人や国の不平等をなくそう、⑪住み続けられるまちづくりを、⑫つくる責任、つかう責任、⑬気候変動に具体的な対策を、⑭海の豊かさをまもろう、⑮陸の豊かさもまもろう、⑯平和と公平をすべての人に、⑰パートナーシップで目標を達成しよう、といったものです。

つまり、企業にとっては、これまでは「利潤(利益)」を追求すればよかったのが、それだけではなく、環境や人権などの問題にも取り組む必要があるということです。

日本でも色々な企業が活動している

国内でも様々な企業が取り組みをおこなっています。例えば、日本フードエコロジーセンター(J.FEC)は、食品廃棄物のゴミ処理と輸入穀物に依存する畜産経営の問題を解決する事業を行っています。SDGsのターゲット1、2、3で食品廃棄物削減が掲げられるなか、国内では年間約2,800万トンの食品廃棄物が発生し、その多くが1トンあたり4~5万円で焼却処理されているという問題を抱えています。その一方で養豚などの畜産経営はエサを輸入穀物に依存し、エサ代の費用に苦しんでいます。そうした問題を、同社は廃棄物を回収し、適切な処理を行ったうえで飼料を製造することで従来よりも50%のコスト削減につながっていいます。

ビジネス的な観点としても無視できない存在

世界持続可能投資連合(GSIA)の2016年の調査によれば、ESG投資の資金額は約2,500兆円にのぼるとされており、ESGに取り組まなければ企業にとっては死活問題となっています。日本においても、国民年金150兆円を運用する世界最大の機関投資家GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が2017年、運用資金の一部をESG評価に基づくESG投資に回すことを発表して注目を浴びました。

社会的課題の解決に取り組む企業のほうが潜在的な事業リスクが低く、中長期的に見た際に企業価値が向上する、そんなふうに捉えられています。ビジネスパーソンとしても今後さらに無視できないテーマとなるでしょう。(提供:ANA Financial Journal

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