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(画像=Freedomz/Shutterstock.com)

問題1

証書貸付について述べた①~④のうち、誤っているものを1つ選んでください。

①証書貸付の法的性質は、金銭の消費貸借契約である
②借用証書には貸付金額や弁済期日、貸付利率等を記載する
③借用証書には私署証書のほか公正証書を用いることもできる
④証書貸付は必ず現実の金銭の授受がなければ成立しない

今回は、証書貸付と手形貸付について取り上げます。問題1では、証書貸付について見ていきましょう。

証書貸付とは、借入人に借用証書を差し入れてもらって行う貸付のことです。その法的性質は、金銭の「消費貸借契約」です(民法587条)。金銭の消費貸借契約が成立するためには、当事者間の合意に加え、金銭の授受が必要とされています。このように、目的物の授受が成立要件となる契約を「要物契約」といいます。

ただし、必ずしも現実の金銭の授受が必要というわけではなく、現実の金銭の授受と同等の経済的価値の移転が認められればよいとされています。もっとも、2020年4月に施行される改正民法では、書面で行う消費貸借契約は、当事者間の合意のみにより成立する「諾成契約」であるとされたため(改正民法587条の2)、証書貸付において、金銭の授受は契約の成立要件ではなくなります。

借用証書には、金銭消費貸借契約を締結する旨のほか、貸付条件である貸付金額・弁済期日・貸付利率等を記載します。このように証書貸付は、借用証書により貸付の条件が明確化されるため、主に長期間の貸付に用いられます。

借用証書に公正証書を用いることも可能