国内株では特定口座を使い、「源泉徴収あり」を選択すれば確定申告は原則不要です。しかし、米国株では確定申告したほうが有利になる場合があります。特に、米国株は配当に対する二重課税の問題があります。

この記事では、米国株にかかる税金と、確定申告をした方がいいのかどうかについて詳しく解説していきます。

確定申告
(画像=Getty Images)

米国株の税金は2種類

米国株を取引きした場合には、どのような税金がかかるのでしょうか。株式の税金には次の2種類があります。

  1. 売却益への課税(譲渡益課税)
  2. 配当金への課税(配当課税)

それぞれ詳しく見ていきましょう

売却益への課税(譲渡益課税)

米国株の売却で得た譲渡益は、米国では課税されません。日本国内の株式と同じように、日本で申告分離課税の対象として、20.315%の税率で課税されます。

以下の場合は原則として確定申告が必要になります。

譲渡益が発生した場合
その年の米国株の取引きで利益がでた場合は、確定申告が必要です。ただし、「特定口座・源泉徴収あり」を選択していた場合は、確定申告は不要です。

国内株式など他の金融商品と損益通算を希望する場合
米国株で利益がでて、国内株で損失がでていた場合、確定申告することにより損益通算できます。例えば、米国株で50万円の利益でも、国内株の損失が50万円なら、相殺されて税金を払う必要はありません。これも1社だけで取引している場合は、「特定口座・源泉徴収あり」を選択することにより、確定申告は不要です。ただし、複数の証券会社で損益通算をしたい場合は、確定申告をする必要があります。

譲渡損失が発生し、繰越控除制度の適用を希望する場合
米国株で損失がでた場合は、確定申告することにより、3年間繰り越して翌年からの譲渡益から控除することができます。例えば、今年50万円の損失が出た場合、翌年の利益が20万円、2年後の利益が30万円だった場合、損失の控除ができるので税金がかかりません。ただし、3年間確定申告をする必要があります。

配当金への課税(配当課税)

米国株の配当金については源泉徴収されます。ただし、米国内で10%の税金がかかり、さらに日本国内で20%の税金がかかりますので、二重で税金がかかります。つまり、配当が100あったとしたら、最終的な手取り額は約71になってしまうのです。

これを配当の「二重課税」といいます。この二重課税を回避するためには、確定申告をして「外国税額控除」の適用を受ける必要があります。外国税額控除を利用することにより、保有している米国株の米国で徴収された税金を、最大で10%取り戻すことができます。

米国株の外国税額控除とは

米国株は日本株よりも配当が高いのが魅力ですが、いかに高配当でも30%近くの税率のため、税額調整をしないと実際のパフォーマンスは下がってしまいます。日米の二重課税を回避するために使えるのが外国税額控除です。米国株のパフォーマンスをあげるために是非とも使いたい控除です。

外国税額控除のやり方を詳しく解説。外国証券の取引に備えて確認しよう

米国株の外国税額控除の適用は、確定申告をして総合課税か申告分離課税を選択した場合に限られます。それでは、米国株の確定申告では総合課税と申告分離課税のどちらが得をするのでしょうか。

総合課税で申告すると有利になる人

総合課税とは、他の所得と合算して税金を計算する制度です。給与など他の所得があり、国内株の配当控除を受けたい人は総合課税を選ぶといいでしょう。(米国株は配当控除なし)。所得の目安は、配当を含めた課税所得が695万円以下の人、配当以外に所得がなく、株の利益や配当所得の合計が38万円以下の人は総合課税を選ぶと有利になります。

申告分離課税を選ぶと有利になる人

所得税は累進税率課税なので、所得が多いほど税率が上がります。695万円超の税率は23%になるので、配当金を含めた課税所得金額が695万年超の人は、申告分離課税を選んだ方が有利になります。申告分離課税は20.315%の課税で済みます。

また、国内の株式などと損益通算ができるので、他の金融商品で損失が出ている場合も、申告分離課税を選ぶようにしましょう。このように、確定申告で総合課税・申告分離課税どちらを選んだ方が有利なのかは人によって異なります。所得や他の金融商品の損益を考えて選ぶようにしましょう。

なお、外国税額控除は米国から直接還付するのではなく、自分の払い込んだ所得税から還付される制度です。ですから、払った所得税がないと還付されないということになります。

特に、総合課税は他の損益との通算なので計算が複雑になります。ですから、税務署や自治体に問い合わせた方が確実です。

まとめ

今回は米国株の確定申告について解説しました。米国株の利益には2種類あります。

  • 譲渡益 「特定口座・源泉徴収あり」にしておけば、確定申告は不要です。しかし、国内株式などで損失がでている場合は、確定申告することにより、3年間の繰越控除が適用されます。

  • 配当 米国株の配当金は二重課税されますが、確定申告により所得税が還付されます。確定申告では次の2つを選ぶことができます。

総合課税
配当と合わせた所得が695万円未満、配当所得以外の収入がなく、配当所得の合計が38万円以下の人は総合課税を選んだ方が有利になります。

申告分離課税
配当と合わせた所得が695万円以上、もしくは国内株など他の金融商品と損益通算したい場合は申告分離課税を選んだ方が有利になります。このように、特に配当に関しては二重課税の問題があるので、確定申告した方が有利になります。

投資の利回りを上げるためにも、米国株で配当金をもらった場合は、確定申告をするようにしましょう。(提供: The Motley Fool Japan


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