2019年4月、「改正入管法」が施行されました。ここ数年増加傾向にある在留外国人ですが、この法改正によりさらに増えていくことが予想されます。賃貸経営者にとって見逃せない、日本在住外国人の動向や、賃貸住宅への外国人入居者の受け入れについて考えてみます。

「改正入管法」の施行で日本に来る外国人が増える?

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(画像=Pixelbliss/Shutterstock.com)

2019年4月1日に施行された「改正出入国管理法(入管法)」は、中小企業を中心に深刻化する人手不足に対応するために、新たな在留資格「特定技能」を創設し、特定の分野において外国人材の受け入れの拡大を図ることを目的としています。

特定の分野とは、介護、ビルクリーニング、製造、建設、宿泊、農業、外食などです。この施策により、政府はこの5年間で受け入れる外国人は約34万5,000人になると見込んでいます。今後、さまざまな分野で働く外国人の姿を目にする機会が増えると考えられます。

改正入管法以前から外国人の居住者は増えている?

改正入管法で改めて注目されましたが、実はそれ以前から日本で働く外国人は増加傾向にあります。下記のグラフは、法務省が発表した2018年末までの在留外国人数の推移です。在留外国人数は2012年から増え続け、2018年末には約273万人(前年比6.6%増)となり過去最高を記録しました。

外国人の居住者
出典:法務省「平成30年末現在における在留外国人数について」

人口と同様に、世帯数も増加傾向にあります。総務省の「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」によれば、2018年の外国人住民のいる世帯数は、前年より約13.8万世帯増えて約139万世帯となりました。人口減少にあえぐ日本ですが、外国人だけは着実に増えていることがわかります。

ちなみに、外国人住民が最も多いのは東京都で約52万人、次いで愛知県の約23.5万人、大阪府の約22.5万人と続きます。人口が多い東京都、愛知県、大阪府、神奈川県、埼玉県の上位5都府県に、全国の外国人人口の半数以上が集中しています。

在留外国人のほぼ半数は賃貸住宅に住んでいる。

では、その外国人はどのような住宅に住んでいるのでしょうか。2015年の国勢調査で、在留外国人のほぼ半数の世帯が、民間の賃貸住宅に住んでいることが明らかになりました。

外国人住民
(画像=アセットonline)

このように、日本に住む外国人は増え、その居住先としての賃貸住宅を選ぶケースは多いです。しかし、外国人を受け入れる賃貸住宅が万全に整備されているとは言い難い状況です。その理由としては、

・外国人(外国語)に対応できる不動産仲介会社、管理会社の不足
・日本と海外での賃貸契約、初期費用などの慣習の違い
・外国人居住者の生活習慣やマナーに関する問題

などが挙げられます。このような問題があるために、外国人入居者に対して漠然とした不安を抱き、積極的に受け入れを行っていない賃貸住宅オーナーもいるようです。

外国人入居者を円滑に受け入れるには

とはいえ、今後日本人の人口がさらに減少し、「家余り」の状況が加速すれば、安定した賃貸経営において外国人入居者は無視できない存在となっていくことは確かです。彼らが安心して入居できるような体制を整えて、積極的に受け入れていく必要があります。

政府も外国人の賃貸住宅への円滑な入居を推進するために、ガイドラインや賃貸住宅標準契約書、外国人向けの部屋探しガイドブック(日本語、英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、ベトナム語、ネパール語)を作成しています。賃貸住宅オーナーの皆さんは、これらを参考に、外国人の受け入れを検討してみてはいかがでしょうか。

参考:外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居について

増え続ける外国人居住者に対応して勝ち組大家に!

インバウンド(外国人旅行者)の増加もあって、街中で外国人を見かける機会が増えています。日本に旅行に来た外国人が日本を気に入り、長期滞在を希望するといったケースも増えてくるのではないでしょうか。

さまざまな理由で増え続ける外国人居住者をいかにして取り込むかが、今後ますます厳しくなる賃貸マーケットにおいて重要なポイントとなるでしょう。(提供:アセットONLINE


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