昨年10月6日、築地市場は80年にわたる歴史に幕を閉じました。豊洲への引っ越しのため、2,000台におよぶターレ・フォークリフトが列をなして未開通の環状2号を時速約20キロで走る光景は、メディアでも話題となりました。

さてその築地市場跡地ですが、再開発計画が急ピッチで進んでいます。さらに東京駅や羽田空港と直結する地下鉄新線計画も浮上しています。

東京の食を支え続けた築地の魅力

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(画像=Sean Pavone/Shutterstock.com)

昭和10年2月、待望の中央卸売市場が築地に開場しました。それまでの魚河岸は衛生面や取引価格の不透明さがかねてより批判されており、東京市は公的機関が監督する市場の開設を目指してきたのです。

以来、築地市場は1日平均3,000トンを超える海産物の供給を通じ東京の食を支え続けてきました。築地の魅力は、それだけではありません。訪日外国人にも人気の場外市場、かつて浜御殿とも呼ばれた「浜離宮恩賜庭園」、数々の名所旧跡が自慢の墨田川などと相まって「築地ブランド」を形成しています。

都が打ち出した整備計画は国際会議場

築地市場跡地は、オリンピックの際、車両基地として使用した後、再開発する予定です。敷地面積23ヘクタール・東京ドーム5個分に相当する「都心最後の一等地」でもある跡地に対し、五輪後の再開発計画がどうなるか注目を集めています。

「江戸時代からの文化・伝統を継承しつつ築地ブランドを世界に発信し続ける」

東京都は今年1月、スポーツ・文化施設を含めた整備計画を発表しました。当初、小池都知事は、「築地跡地は食のテーマパークとして生まれ変わる」と表明していましたが、今回の発表で当初構想は完全に潰えました。

同時に特別会計(中央卸売市場)で管理していた市場跡地は、5,500億円で一般会計へ移管されます。跡地は、下記の方針で開発が進むようです。

・展示機能を兼ね備えた国際会議場(MICE)やラグジュアリーホテルを核とするおもてなしゾーン

・「都民に開かれた」大規模集客施設や築地の特性を活かす研究開発拠点を核とする交流促進ゾーン

・隅田川沿いという水辺の特性を活かし緑地・広場・レストラン等を配置する水辺の顔つくりゾーン

・他エリアとの交通結節点としてバスターミナル・乗船施設・ホテル・サービスアパートメント等を配置するゲートゾーン

MICE整備を皮切りに、交流促進ゾーン、ゲートゾーンと開発をすすめ、2040年代の完成を目指します。ただし、各ゾーンの具体的なプランは明らかにされておらず、「民間からの提案を集め事業計画を固める」としており、各方面の憶測を呼んでいます。

とくに13ヘクタールと最も広い交流促進ゾーンに関しては、将来のIR(統合リゾート)施設、いわゆるカジノ建設に含みを持たせるため、大規模集客施設というあいまいな表現にとどめているのではないかとされています。

更に、都が「跡地にオフィスや住宅を置かない」としている点も、「カジノ構想」と結びつけて考えると合点がいきます。

地下鉄新線計画はカジノのため?

築地市場跡地には、地下鉄新線計画も浮上しています。計画路線は銀座エリアから築地を通り、国際展示場までを結ぶ路線です。事業費は総額で2,500億円、1日当たり5万人の利用を想定しています。JR東日本がすすめる「羽田空港アクセス線」の一部にもアクセス、羽田と築地が直結します。

路線が実現すれば、訪日客を統合リゾートに送り込む交通インフラとしての役割を存分に発揮するとされています。

競合する横浜市の動向も、築地カジノ構想への期待を膨らませます。菅義偉官房長官すらも頭が上がらない、横浜のドンとされる人物による強硬な反対のせいか、林市長も山下ふ頭エリアのカジノ構想に慎重姿勢を崩していません。ちなみにこのドンは、かつて横浜スタジアムのオーナーを務めていた地元の実力者といわれています。

東京都は、跡地開発計画について「2020年度までには具体的な構想を示す」としており、今後の動向に注目が集まります。(提供:Wealth Window


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