モトリーフール・オーストラリア支局、2019年3月13日投稿記事より

自分の家を所有することは、オーストラリア人にとってこれまで当たり前のことでした。しかし、現在では、家を所有することが全てではなくなってきています。

オーストラリア
(画像=Getty Images)

株か?それとも不動産か?

オーストラリアでは夏の間、よくバーベキューパーティーが開かれます。そして、パーティーの話題の一つは、不動産の所有と投資全般についてです。議論は大抵、どの資産に投資すれば良いかという単純な話題に落ち着きます。そして最終的には、株式投資か不動産所有のどちらが良いかという話になります。

株と不動産は、周期的に大きな価格の変動を経験します。住宅市場は定期的に相場の調整があり、株式市場では6〜12ヶ月間ごとに市場が大きく変動します。株も不動産も、歴史的に高いリターンをもたらしてきており、年率7〜10%の平均リターンに大きな違いはありません。

しかし、両資産クラスにはそれぞれ強みと弱みがあります。不動産の最大の利点はレバレッジです。不動産を担保に入れることにより、投資家は所有する不動産価値に値する資金を借りることができます。つまり、50,000ドルの不動産を所有している投資家は、不動産を担保に入れることで、単純な計算ではさらに50,000ドル相当の資産を運用することができます。

もちろん、株やETF(上場投資信託)を担保に入れてレバレッジをかけることも可能です。しかし、時価が大きく変動する株式市場の性質を考えると、不動産に比べて担保としては使いづらいといえます。

レバレッジ以外では、オーストラリアの一部の投資家は、ネガティブギアリング(不動産投資で損失を出すこと)で、所得税などの節税対策に活用できます。

株についてですが、多くの投資家にとって、決済サービス会社のAfterpay Touch Group Ltd(ティッカー:APT)やITサービス会社のAppen Ltd(ティッカー:APX)などに手っ取り早く投資できる点は魅力的と言えます。株式ポートフォリオは、何十年もの間、オーストラリア人の投資ポートフォリオの中心的存在です。人々は、自分の好みに応じて、配当株や成長株に投資をしています。

オーストラリア人が注目している投資先

オーストラリア人の住宅所有の夢は、価値観の変化などにより低下し始めています。これには、若い人たちにとって不動産市場が高騰しすぎていることも影響しています。実物資産として不動産は、オーストラリアでは多くの人にとって引き続き魅力的です。

しかしその一方、住宅を所有すると流動性が制限されることになります。オーストラリア証券取引所における株の流動性の高さにより、株式投資家は様々な会社への所有権を簡単に変更できます。しかし、住宅用不動産への投資ではそうではありません。そして、不動産の流動性は景気後退時にはさらに悪化します。景気後退時には株の流動性も悪化しますが、それでも多数の買い手が存在するため、売却できないということはないと言えるでしょう。

また、住宅ローンが返済される30年後まで、銀行は実質的に住宅を所有しています。そしてオーストラリアの場合、1回の債務不履行により不動産が競売にかけられる可能性があります。不動産に比べて株が優れている理由の一つは、お金が必要な場合には単に株を市場で売却すれば済むということです。不動産の場合には、こう簡単にはいきません。

結論

現在のオーストラリアで住宅を所有することは、長期にわたる住宅ローンの支払利息を考えると得策ではないとの見方があります。従って、不動産を保有するよりも、株式ポートフォリオを適切な水準に構築する方がよいとも考えられます。

もし、早期退職に備えるのであれば、配当株への分散投資は一つの有効な投資戦略となるでしょう。ただし、個人の財務状況は各人によって異なります。そして、それぞれの投資には長所と短所があり、個人的な投資志向についても考える必要があります。ですから、投資を行うにあたっては、これらの点を事前によく検討することが大切です。(提供: The Motley Fool Japan


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