さまざまな理由や事情で離婚を選択する夫婦が年々増えています。1970年代から1990年代前半まで10万件台だった年間の離婚件数は1996年に20万件に達し、その後現在に至るまで20万件を超える水準となっています。それに対して再婚件数も、統計を取り始めた1950年代から現在まで10万件を超えていて、2015年の統計では約17万件となっています。

このように離婚・再婚の件数が多い現在では、再婚同士、さらに再婚する配偶者に子どもがいるケースも多いと想定されます。そこで今回は新しい配偶者に子ども、いわゆる「連れ子」がいる場合に、今後発生する相続の際の注意点や相続対策などについてお伝えします。

「推定相続人」が誰なのか確認を

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(写真=fizkes/Shutterstock.com)

まずは現時点で、ご自身の財産を相続する権利を持つ「推定相続人」が誰なのかを確認する必要があります。当然ながら、結婚をすれば新しい配偶者は相続人となります。また前配偶者は相続人にはなりませんが、ご自身と前配偶者との間の子どもは、例え親権を前配偶者が持っていたとしても相続人となります。前配偶者との間に子どもがいない場合には親が、さらに親がいない場合には兄弟姉妹が相続人となります。

このようにご自身の推定相続人を確認すると共に、新しい配偶者の推定相続人を確認する必要があります。これでお互いの推定相続人が確認でき、誰が財産を相続する権利があるのかが判明します。ただしこの時点では、新しい配偶者の子どもはご自身の推定相続人ではなく、ご自身の子どもも新しい配偶者の推定相続人ではないので、財産を相続する権利はありません。

養子縁組によって推定相続人に

ご自身の財産を新しい配偶者の子どもに相続させたいという場合には、養子縁組の制度を利用し法律上の親子になることで、財産を相続させることができます。養子縁組には「特別養子縁組」と「普通養子縁組」の2種類があります。

特別養子縁組は、原則子どもが6歳未満(但し「原則15歳未満」への年齢引上げを骨子とした民法改正案が2019年3月に閣議決定済、15歳から17歳の場合に例外的に認められる場合を含む)の場合に利用できる制度です。特別養子縁組を行った場合、子どもは養親との親族関係が結ばれ、実親との親族関係は終了します。これによってご自身の財産を相続する権利を有することになりますが、実親の財産を相続する権利は消滅します。

一方で普通養子縁組は、養親が成年者であること、養子が養親よりも年長者でないなどの要件を満たせば行うことができます。特別養子縁組との違いは実親との親族関係が継続する点です。従って、普通養子縁組した子どもは実親と養親の両方の推定相続人となります。

このように養子縁組の種類によって養子となる子どもの権利などの違いがありますが、子どもが6歳未満の年少者でない限り、普通養子縁組で行われるのが一般的です。

遺言によって連れ子に財産を遺す

何らかの理由で養子縁組を行わない場合にも、遺言を活用することによって配偶者の子どもに財産を遺す方法があります。遺言では相続人以外の人にも「遺贈」という形で財産を遺すことが可能です。特定の相続財産を指定する「特定遺贈」、財産割合を指定して遺贈させる「包括遺贈」によって、養子縁組を行わない子どもに財産を相続させることができます。

ただし、遺言を活用する場合や養子縁組を行う場合には、他の相続人との関係性についての考慮や配慮が必要になる場合があります。例えば先にお伝えしたように、前配偶者との間に子どもがいる場合、その子どもも相続人となります。さまざまな事情や理由でその子どもに財産を渡したい、あるいは渡したくない、といういずれの場合であっても、その子どもには一定の財産を受け取る権利である「遺留分」があります。

この遺留分を侵害するような相続の方法をとるとトラブルのもとになりますので、遺産分割の方法について検討をする他、「誰が相続人となるのか」を確認しておく必要があります。いずれにしても再婚同士の相続の場合には、新しい配偶者との関係性の他、それぞれの前の配偶者との関係性も影響してきますので、早い段階から遺言等を検討しておくことが大切でしょう。(提供:プレミアサロン

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