株主優待を低リスクでゲットしたいときに活用できる手法が、「クロス取引」と呼ばれる投資手法です。クロス取引を活用することで、価格変動リスクを抑えて株主優待をゲットできる可能性があります。しかし、長期休暇前の取引では特に気をつけなければならない点もあります。

そもそもクロス取引とは

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(写真=LStockStudio/Shutterstock.com)

クロス取引とは、「同じ銘柄、同じ数量」の株で、買いと売りの注文を同時に行って約定させる取引方法です。同じタイミングで約定になれば、両者とも同一価格で株の売買が成立するため、株価の変動による損失は発生しません。損失が発生しない仕組みは下記の通りです。

クロス取引の例
1.権利付き最終日以前に、現物買い注文と信用売り注文を同時に行う
2.権利落ち日以降に、現物買い注文で購入した株を信用売りで注文している部分に充ててポジションを手放す(=現渡し)

株主優待の権利が与えられる日より前に現物買いと信用売り注文を行い、権利落ち日に現渡しで決済するクロス取引を行えば、株価の変動による損失がほぼゼロの状態で株主優待の権利を獲得できます。これがクロス取引による株主優待の獲得法です。

安易なクロス取引は失敗のリスクを高める

クロス取引を行っても損失が出ることもあります。では、クロス取引を行うときにはどんな点を注意すればいいのでしょうか。

クロス取引の場合は信用売りを行う必要がある

株を持っていない状況でクロス取引を行う場合は、現物買いと信用売り(空売り)のパターンが基本形です。現物買いとは、口座にある資金で株を購入することで、信用売りとは、株を借りて売り注文を出すことです。銘柄によっては信用売りに対応していない株も存在するため、信用売りができる銘柄か確認する必要があります。

手数料の金額を計算してからクロス取引を行う

クロス取引では、取引手数料や貸株料といった費用がかかります。売買する株数や株取引を行っている証券会社によっては高額な手数料が発生するため要注意です。

クロス取引が成立しない場合があることを覚えておく

買いと売り注文を同時に行っても、買い(売り)注文だけ成立して売り(買い)注文が成立しない場合もあります。この場合、株価の変動による損失が発生する可能性があるため気を付けましょう。

信用売りをするときに発生する恐れがある「逆日歩」

信用売りでは、投資家は証券会社が保有している株を借ります。しかし、証券会社に借りる株が残っていないときは、機関投資家などの株主にレンタル費用(品貸料など)を支払って、株を借りなければなりません。これが逆日歩(ぎゃくひぶ)です。レンタル費用の金額は入札で決まるため、逆日歩は事前に予想できません。そのため、取引に余計なコストが掛かってしまう恐れがあるので注意が必要です。

年末やGW前のクロス取引は要注意

祝日や休日は、国内の取引所が休場となっており、多くの証券会社で株の売買ができなくなります(証券会社によって、売買スケジュールは異なります)。つまり、株を買えない(売れない)期間が長いということです。

連休前に株を手放したい人が増えると買い注文と同じ金額で売り注文を約定させることができず、クロス取引が成立しなくなることもあるため注意が必要です。

クロス取引は慎重に行おう

クロス取引を行っても、損失を出さずに100%株主優待をゲットできる保証はないため、投資資金や株の売買状況などを見極めることが大事です。株価の急変動で大損失を被る確率もゼロではありません。株の売買タイミングを見計らいながら、慎重にクロス取引を行いましょう。(提供:ANA Financial Journal

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