インターネットはもちろん、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)など最新のIT技術を用いて、不動産の新たなサービスを提供する「ReTech(Real Estate Tech:不動産テック)」が世界で広がりを見せています。物件調査・価格査定、売買・賃貸仲介、管理、リノベーション、投融資など不動産関連のさまざまな場面において、ビッグデータやAI、モバイル端末、クラウドなどを活用したReTechが次々と誕生しています。日本ではどんなサービスがあるのか見てみましょう。

IT重説など契約処理の電子化

テクノロジー,不動産業界,ReTech
(写真=Ekaphon maneechot/Shutterstock.com)

不動産売買・賃貸において、事業者にとってもサービスを受ける者にとっても大きな手間となっていた契約手続き。この手続きを電子化する動きが進んでいます。その動きの1つが「IT重説」です。

不動産の売買や賃貸などの契約を行う際、宅地建物取引士は当事者に対して、原則として「対面」で重要事項説明(重説)を行う必要がありました。この重説を、テレビ会議やウェブ会議システムなどを活用することで効率化する取り組みがIT重説です。国土交通省では、まず2017年10月から賃貸契約においてIT重説の運用を開始。今後は売買にも適用していくことが検討されています。

その他の電子化の動きとしては、IT重説と同様に、各種契約書・発注書の作成・処理、契約と合わせて行われる決済などを非対面で実施するサービスも生まれています。

VR・ARを活用した内覧

コンピュータ上で現実に似せた映像を作り、専用のゴーグルなどで体感する「VR(仮想現実)」、また、現実世界にデジタル情報を反映する「AR(拡張現実)」。VR・ARを使った不動産サービスとしては、店頭や自宅にいながらあたかも物件にいるかのように室内を確認できる「VR内覧」システムがあります。

ユーザーは立体感のある映像を360度見回しながら、現地にいるかのように疑似内覧をすることが可能です。自分の好みに応じて家具を配置した状態を確認するなど、ホームステージングに対応したサービスもあります。さらにその家具が気に入ったらネットで購入できるというサービスも現れてきています。

ビッグデータ&AIで価格査定

巨大なデータの集積であるビッグデータを、AIで分析・処理することで最適な結論を導き出そうという試みが不動産分野でも進んでいます。その代表的なサービスが価格査定・相場情報の提供サービスでしょう。

このサービスは、数百万件や数千万件といった取引データ・物件情報・公示価格などのオープンデータをもとに、市場価格や今後の価格推移等を評価し、価格査定や相場情報の提供に役立てるといったサービスです。一般ユーザーの情報収集だけでなく、金融機関の担保評価業務、不動産投資オーナーの収支シミュレーションなどに役立てられています。

スマートロックで物件管理

賃貸物件の仲介の現場では、物件の内覧や引き渡しの際には担当者が現地に行き、解錠・施錠する必要がありました。この鍵を「スマートロック」に替えることで、担当者は現地に赴くことなく、インターネット上で解錠・施錠することができ、業務の効率化を図ることができます。このようなIoT(モノのインターネット)技術を活用することで、業務の効率化を図ろうとするサービスが現れています。

住宅ローンマッチング

住宅ローンマッチングは、インターネット上で、複数の金融機関の住宅ローンを比較し、事前の借入可能額を把握し返済シミュレーションをしたうえで、事前審査申込や本申込、金融機関との書類のやり取りなどができるサービスです。従来、消費者が住宅ローンを申し込む場合は不動産会社に任せるというのが一般的でした。しかし、消費者が自ら住宅ローンを比較検討することで、多数の選択肢の中から最適な金融機関を選択することができます。

日本国内におけるReTechの広がりはまだまだ始まったばかり。米国のReTechからは10年遅れているという話もあります。不動産業者が対応していない、導入に多大なコストがかかる、実際にサービスが普及しなければ需要が生まれない、などの課題もありますが、普及が進めば不動産取引が便利になり、市場が活性化することは間違いなし。今後も新しいReTechの誕生に期待したいところです。(提供:Braight Lab

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