税制改正により給与所得者であるサラリーマンへの課税が徐々に重くなっています。給与所得控除の削減一つを見ても、2017年以降は年収1,000万円超の給与所得者の給与所得控除は220万円が上限になりました。2020年以降は、年収850万円超の給与所得者の給与所得控除は195万円が上限になります。ただ、こういった増税があっても、節税の知識があれば負担を軽くすることができます。今回は、サラリーマンの節税策について紹介します。

節税策①iDeCo(イデコ)

サラリーマン,節税
(写真=lovelyday12/Shutterstock.com)

iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金のことです。国民年金や厚生年金は給付額が確定しているものであるのに対し、iDeCoは加入者が一定額を拠出して積み立て、定期預金や保険、投資信託などの金融商品で運用します。いわば「自分で作る老後年金」です。

運用した結果の年金は、60歳以降に年金あるいは一時金としてで受け取ることができます。60歳になるまでは引き出すことができません。毎月5,000円から掛けることが可能で、変更は1,000円単位で行うことができます。iDeCoに加入し、自ら資産運用するようになった場合、次のようなメリットを享受することができます。

・年間の積立金額については全額所得控除の対象となり、所得税・住民税を節税することができる(「小規模企業共済等掛金控除」に該当)
・運用中の定期預金利息や投資信託運用益が非課税

節税策②ふるさと納税

ふるさと納税は、自分の故郷や他の自治体などに対する寄付金制度をいいます。ふるさと納税を行うと、次の計算式で計算した金額が寄付した年の所得(所得税)あるいは税額(住民税)から控除することができます。次の算式で計算した金額が税金上の節税額になりますが、ざっくりいうと「寄付した金額から2,000円を差し引いた金額」が節税額になります(ただし、上限額があります)。

所得税

(ふるさと納税額(寄付額)-2,000円)×適用される所得税率(0~45%)
※上限額:総所得金額等の額の40%

住民税

1. 基本分
(ふるさと納税額(寄付額)-2,000円)×10%
※上限額:総所得金額等の額の30%

2. 特例分
(ふるさと納税(寄付額)-2,000円)×(100%-10%-所得税率)
※上限額:個人住民税所得割額の20%

ふるさと納税による寄付を行うと、自治体から返礼品が送られてくるのが一般的です。自治体によっては、お米やお肉などの生活用品を返礼品にしています。見方を変えると「2,000円の自己負担で特産品が手に入る」ということになります。

節税策③不動産投資

また、不動産投資でも節税することが可能です。不動産投資による所得は、「不動産所得」として申告することになります。不動産所得については主に以下のようなメリットがあります。

・不動産所得が赤字(損失)になった場合には、給与所得など他の所得と損益通算することで節税できる
・青色申告承認申請書を提出し、簡易帳簿あるいは現金主義で帳簿をつけた場合には、10万円の青色申告控除が受けられる
・青色申告承認申請書を提出し、複式簿記で帳簿をつけた場合には、65万円の青色申告控除を受けられる

シミュレーション:年収700万円の独身男性が上記節税策を行った場合

では、ここでどれくらい節税になるかを以下のケースでシミュレーションしてみましょう。

【対象】
年収700万円の独身男性の給与所得者(勤務先は企業年金に加入せず)
社会保険料(個人負担)は年間105万円

【行った節税】
・iDeCoで毎月2万円を積み立て
・ふるさと納税で年間10万円を寄付
・不動産投資で10万円の赤字(簡易帳簿で申告)

【所得額計算①節税しなかった場合】
700万円(年間給与収入額)-190万円(給与所得控除額)=510万円(給与所得額=合計所得金額)
510万円-105万円(社会保険料控除)-38万円(基礎控除)=367万円(課税所得金額)
367万円×20%-42万7,500円=30万6,500円(所得税額)

【所得額計算②節税した場合】
700万円(年間給与収入額)-190万円(給与所得控除額)-10万円(不動産所得)=500万円(合計所得金額)

500万円-105万円(社会保険料控除)-2万円×12ヵ月(iDeCo分:小規模企業共済掛金等控除)-(10万円-2,000円)(寄附金控除)-38万円(基礎控除)=323万2,000円(課税所得金額)

323万2,000円×10%-9万7,500円=22万5,700円(所得税額)

【節税額】
① -②=8万800円

このケースの場合、「iDeCo」「ふるさと納税」「不動産投資」を行うことで、年間8万円前後の節税が期待できます。しかも、それぞれ最終的には「自分にとってメリットのある」節税策です。iDeCoは老後対策、ふるさと納税は実質2,000円の負担で返礼品を受け取ることができます。不動産投資は、一時的に赤字になることはあっても、働けなくなったときのもう一つの収入の柱です。

このように節税につながる制度を活用すれば、サラリーマン増税時代であっても、自分の今の生活や将来に備えながら税金に払うお金を抑えることができるのです。(提供:Braight Lab

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