不動産業界はテクノロジーとの融合が難しいと思われがちです。しかし最近は「不動産テック」の名のもと、めざましい発展を遂げています。その分野は多岐にわたりますが、ここでは特に注目されている3つの領域を紹介します。

VRで遠方からの契約も可能に

不動産テック,デジタル化
(画像=YAKOBCHUK VIACHESLAV/Shutterstock.com)

バーチャル・リアリティの頭文字をとったVR。さまざまなイベントのデモンストレーションなどに登場し、ゲームやエンターテイメントとも相性が良いものです。

不動産では主に遠隔からの内見に使われます。まるで実際に建物内にいるかのように、自由な位置や角度から部屋の中を見ることができるのです。精巧なものは、現地に行かなければ分からないはずの雰囲気までもが伝わってきます。

実際の物件どころか店舗にも行かず、自宅でインターネットを通じて不動産を見ることができるVR内見。家を探している人にとっても、対応する不動産会社にとっても効率的です。

IT重説(重要事項説明)もますます活用範囲を広げていくでしょう。不動産を借りたり買ったりする際の重要事項説明は、これまで対面でする必要がありました。これをテレビ会議などで行えるようになったのです。2019年現在、法律上認められているのは賃貸のみですが、売買でも活用できるように検証が進められています。

VR内見とIT重説によって、現地を訪れることなく成立する取り引きが今後増えていくはずです。より広範囲の入居者や購入者がターゲットになり、市場が活発化することが期待されます。

AIを使って効率的な査定やマッチングを

あらゆる業界で、人工知能(AI)が注目されています。不動産業界では物件の査定やマッチングなどに取り入れられています。

土地や建物を売買する際の価格査定は、不動産会社の担当者がひとつひとつ手作業で行うのが一般的です。似たような取り引きの事例を参考にしながら、地価や工事費などの相場を元に判断し、投資用の物件の場合は周辺の利回りも考慮します。

AIを利用する不動産査定では、駅からの距離、構造、築年数、間取りなど、大量のデータから瞬時に価値を算出します。中にはマンション名を入力するだけで部屋ごとの参考価格を表示したり、将来の価格予想をしたりする、といったサービスもあります。

投資用のサービスも充実しています。例えば不動産コンサルティングを行うリーウェイズ社が提供するGateは、購入時点から売却するための収支を自動的にシミュレーションしてくれます。

AIを利用した不動産テックには査定だけでなく、マッチングを行うものもあります。ジブンハウス社のAiRは簡単な質問に答えることで、自分に合ったマイホームを人工知能が探すサービスです。

手間のかかる査定や物件探しを瞬時に行えるAIは、これからの不動産業界になくてはならない存在になっていくでしょう。

ブロックチェーンの活用で名義変更もスムーズに

仮想通貨の中核技術であるブロックチェーン。情報技術の革命といわれており、不動産業界も例外ではありません。

ブロックチェーンの特徴は、特定の管理者を必要とせずに、データの信頼性を高められることです。

不動産に関する名義変更や担保設定などを正しく行うためには、登記の手続きをしなければなりません。本人か司法書士などの代理人が法務局に出向くか、書類を郵送する必要があり、登録免許税などの手数料もかかります。しかし法務局の役割をブロックチェーンに置き換えることができれば、いつでもどこでも低いコストで取り引きができるようになるでしょう。

ブロックチェーンを活用した不動産テックの分野には、他にも賃貸管理や売買の手続き、不動産の証券化などさまざまなものがあり、どれも大幅にコストや手間を削減することが期待されています。本格的に活用されるのはまだ先の話になるかもしれませんが、一部では実証実験が始められています。

テクノロジーの進歩が不動産市場を活性化させる

内見や契約、査定や物件探し、名義変更など、不動産業界はアナログが中心の世界でした。しかしテクノロジーの発展により、遠隔化や効率化が進んでいます。これら利便性の向上が、不動産市場をさらに活気づかせることになるでしょう。(提供:アセットONLINE


【オススメ記事 アセットONLINE】
日本人の平均的な生涯所得、生涯支出と資産運用が重要な理由
区分所有物件を使った相続税対策
不動産投資における成功の秘訣。管理会社次第で大きな差が生まれる
2030年、世界における東京都市部の価値、優位性は?
ReTech(不動産テクノロジー)の進歩の現況~IT重説~