アメリカへの移住を考えるにあたり悩むのが永住権の取得方法です。またアメリカへの移住を決めたのなら、物価や教育など、日本と異なる部分についても知っておく必要があります。そこで永住権を取得する方法や、永住権と市民権の違いについて解説します。
アメリカ永住権を取得する2つの方法

アメリカ永住権(グリーンカード)を得る方法はいくつかあります。
たとえばアメリカ国籍の人と結婚すると永住権を申請でき、取得した永住権には2年間の期限付きになり、2年後に審査を通過すれば今度は10年間の期限付き永住権が取得できます。
ただアメリカ人と結婚しなくても永住権を取得する方法もあり、今回はその中から取得しやすい2つを紹介します。
方法1――抽選プログラムに参加する
永住権の抽選プログラム「Diversity Visa Program(ダイバーシティ・ビザ・プログラム)」に参加することでも永住権を取得できます。
この抽選はアメリカへの移民率が低かった国を対象に毎年1回、10~11月頃に行われ、当選した人には永住権が与えられるというもの。当選人数は年間5万人ですが過去5年間に5万人以上の移民があった国には永住権が与えられません。
方法2――アメリカに投資をする
アメリカ国内のプロジェクト会社へ投資することで永住権を取得する方法です。「EB-5プログラム」とも呼ばれる方法で、50万USドル以上の投資を行うことで永住権を得られます。
また移住後に自立した生活ができることや、過去に重大な犯罪経歴がないこと、健康であり重大な疾患のない人であるといった条件もあります。
アメリカの永住権と市民権の違いについて
アメリカには市民権という権利もあります。永住権と市民権にはどのような違いがあるのでしょうか。
永住権は、アメリカで暮らし働くことができ、さらに自由に出入国が可能。しかし12ヵ月以上アメリカを離れると永住権を失います。また条件付きの場合を除き永住権は10年に一度の更新が必要で、投票権がなく陪審員になることはできません。
それに対して市民権は、アメリカで生まれた人やアメリカの国籍を取得した人に与えられるもので、アメリカのパスポートを所有します。選挙の投票権や公的職業への就職資格も得られ、裁判の陪審員も務められます。
日本人がアメリカの市民権を得るには、「永住権を取得した状態のまま5年間経過」「市民権を請求する30ヵ月前からアメリカに滞在」といった条件を満たす必要があります。
また日本は多重国籍を認めていないため、アメリカの市民権を得るには日本の法務局やアメリカにある日本大使館、または領事館などに届出をして日本国籍から離脱する必要があります。
市民権を得た後に日本のパスポートを使って入国や出国をした場合には、不法入国・不法出国にあたりますので注意してください。
日本とアメリカの物価と教育に関する違い
物価にそれほど違いはないものの「チップ」が割高に感じる
日本とアメリカにおいては、食料品や家賃、水道光熱費や通信費といった生活に関する物価にはそれほど違いがありません(労働政策研究・研修機構の「物価水準」より)。ビッグサイズの商品やまとめて商品を購入すれば日本よりも安く済む場合もあります。
アメリカには店舗スタッフにチップを渡す文化がありますので、飲食店やホテルなどでの支払いは日本よりも多少高く感じるでしょう。
教育でも個性を重んじるアメリカ
日本の義務教育は中学校までですが、アメリカは高校までを義務教育としています。またアメリカにはクラスという概念がありません。子どもたちが自分で授業を選択するシステムは日本でいうところの単位制と同じシステムです。
日本では集団行動や規律を重視しますが、アメリカでは個人の個性を大切にします。この違いもふまえておきたい点です。
家庭の状況に合わせた最良の選択を
アメリカの永住権を確実に取得したければ、先にも述べたアメリカ投資永住権「EB-5プログラム」に参加するのが現実的です。アメリカ人との結婚や抽選プログラムはいつ取得できるか分からないからです。子どもと一緒に移住する場合は、アメリカの教育方針についてもあらかじめ調べておくとよいでしょう。(提供:ANA Financial Journal)
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