モトリーフール米国本社、2019年6月3日投稿記事より

中国最大のワイヤレス事業会社のチャイナモバイル(中国移動、ティッカー:CHL)の株価は、過去3カ月で約20%下落しています。米中貿易戦争の悪化などでチャイナモバイルの短期的な見通しは厳しいとみられますが、同社への逆風は予想されているほど強くはないとみられます。

チャイナモバイルは、9億3,000万の携帯ユーザーと1億7,000万の有線ネットワークユーザーを擁しています。同社には政府の支援があり、配当利回りも4%と高く、中国市場の成長の恩恵を享受できる保守的な投資対象です。

株価下落の背景には、3月下旬に発表した2018年決算発表が予想を下回ったこと、米中貿易戦争の激化、そして5月にFCC(米連邦通信委員会)が米国内での同社の通信サービス提供申請を却下したことがあります。

チャイナモバイル
(画像=Getty Images)

携帯料金値下げや投資の影響は一時的

チャイナモバイルの2018年の純利益は前年比3%増に過ぎませんでしたが、これには、スマートフォン市場の競争激化が影響しました。

さらに、政府が携帯料金値下げを要請し、また次世代5Gワイヤレスネットワークへの投資がかさんだことがあります。しかし、今後は値下げの影響や投資も一巡し、3Gや4Gのユーザーが5Gに移行することで売上高および利益が回復すると見込まれます。

ファーウェイ排除にも対応

米国政府が中国の通信機器大手ファーウェイに対する排除措置を発表したことで、チャイナモバイルのサプライチェーンへの懸念が広がっています。ファーウェイと同じく制裁を受けているZTEは、チャイナモバイルの5Gネットワークの主要通信機器サプライヤーなので、懸念の一部は理解できます。

しかし、チャイナモバイルはフィンランドの通信機器大手ノキアからも機器を購入しているため、ファーウェイとZTEが排除される地域向けには、ノキア製品を使って制裁を迂回する手段があります。

FCCによる申請却下は古いニュース

一部のメディアは、チャイナモバイルの米国営業ライセンス申請をFCCが却下したことを大々的に取り上げましたが、同社は2011年に申請を出していて、オバマ政権下で持ち越しになっていました。

そして昨年の夏、トランプ政権がチャイナモバイルの申請を却下するようにFCCに要求していたため、投資家にとってはサプライズではなかったはずです。なお、米国の携帯市場は飽和状態にあり、AT&T、ベライゾン、Tモバイル、スプリントが支配しています。このため、仮にチャイナモバイルが米国市場にこれから参入したとしても、十分な市場シェアの確保は難しいと考えられます。

長期的な投資対象

チャイナモバイルの株価はすぐには回復しないかもしれません。しかし、堅実な配当を継続し、PER(株価収益率)10倍で取引されている同社は、貿易戦争が長期化したとしても引き続き中国携帯市場における長期投資対象となるでしょう。(提供: The Motley Fool Japan

(なお、米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)
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元記事の筆者Leo Sunは、AT&T株、チャイナモバイル株を保有しています。モトリーフール社は、TモバイルUS株、ベライゾン・コミュニケーションズ株を推奨しています。