2019年2月13日夕方、国税庁が生命保険会社に対して法人保険の税務上の取扱いを見直す方針を伝えました。税負担の軽減を目的とした法人保険が機能不全に陥っている今、企業防衛プラントしてオペレーティングリースが注目されています。

オペレーティングリースとはそもそも何か

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(写真=Travel mania/Shutterstock.com)

オペレーティングリースとはリース期間満了時にリース会社がリース物件を査定し、リース物件価格から査定した価値(残存価格)を引いて、リース料を算定する取引のことです。

日本型オペレーティングリース(JOL)とも呼ばれるものでは、匿名組合契約を活用して航空機、船舶、コンテナなどの大型資産を20~30%で出資できるのに、税務上は100%保有したのと同様の効果を得られるのです。

商法上の匿名組合契約(535条以下)では、経済的利益は「匿名組合員」に分配されるものの、対外的には「営業者」が取引主体となるのが特徴です。

たとえば航空機のオペレーティングリースでは、リース会社が設立したSPC(特別目的会社)が「営業者」として航空機を購入し、これをリース契約の相手方である航空会社などに貸与します。

なおSPCは「匿名組合員」たる投資家からの出資を受け入れるとともに、金融機関からの借入により投資対象資産の購入資金を調達します。

匿名組合事業にとっては、航空会社からの受取リース料が毎期の営業収入となるほか、リース期間満了時には航空機の売却収入が発生します。また費用としては航空機に対する減価償却費やメンテナンス費用などが計上されます。

このようにして発生した匿名組合事業の損益は「匿名組合員」たる投資家に分配されることにより、投資家サイドで税務上の益金および損金として取り扱われます。実はこれがオペレーティングリースが節税商品として機能するためのポイントになるのです。

オペレーティングリースのメリット

オペレーティングリースでは、特にリース期間の前半において多額の減価償却費が計上されることにより、税務上の赤字が生じるという商品設計になっています。しかも金融機関からの借入によりレバレッジが効いているため、早い時期に投資額相当の損金を生み出せるというメリットがあります。

また定期的に保険料の支払が生じる法人保険とは異なり、オペレーティングリースでは投資額の支払が初回の一度のみです。リース条件などが明確であるため、安定した事業計画に基づき、タックス・プランニングにも活用しやすいわけです。

リスクも理解して活用しよう

オペレーティングリースは設計上、事業から生じる損金を先取りしている商品とも言えます。そのためリース期間の後半に益金が計上された際には課税が生じる可能性があります。

たとえばリース資産の売却年度に合わせて役員退職金を支給することで益金と損金を減殺するなど適切なタックス・プランニングを組み合わせる必要があるのです。

またかつてオペレーティングリースに似た節税商品で投資額以上の損金計上が可能な「レバレッジドリース」が人気を博したことがあります。

ただし現在では国税庁の通達により損金計上額の上限は投資額までとなっています。つまり将来的にオペレーティングリースに関する税務上の取扱いが変更になる可能性も否定はできません。

既存契約について遡及適用されない見込みだが……

冒頭の国税庁が生命保険会社に方針を伝えた、いわゆるバレンタイン・ショック後に公表された、定期保険にかかる保険料の税務上の取扱いに関する法令解釈通達は、既存契約について遡及適用されない見込みとなっています。しかし過去のオペレーティングリースに遡及的に適用される改正通達などが公表されないという保証はないということも注意して、賢く資産を守っていくのがよいでしょう。(提供:ANA Financial Journal

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