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(画像=Pressmaster/Shutterstock.com)

Q5 無理に支援を行って不良債権にならないの? 支援を決めても本部の審査で否決されない?

A 自行庫の融資ポリシーや諸規定に照らし、無理と判断される融資案件には取り組んではならない。

金融機関ごとの債務者区分を一致させ、引当金の積上げを加速させることを意図した金融検査マニュアル下で、財務数値を重視して形式的・画一的に「リスク」を評価する融資実務が浸透・定着した。

しかしQ2でみたように、中小企業は①監査人監査を受けていない、②約65%は申告所得赤字、③経営と資本が一体不可分──という特徴を持つ。したがって、そもそも財務数値に基づく債務者区分だけで簡単に融資方針を決めるべきではない。

ミドルリスク先の融資に取り組む際は融資実務の原点に戻り、取引先を積極的に訪問して実態情報を収集し、「今現在どうなっているか」「今後どうなっていきそうか(将来性や事業の継続性)」「課題は何か」を見極め判断することが欠かせない。その結果「無理」と判断すれば融資はしない。

ミドルリスク先と定義される取引先でも、訪問して実態を詳しく確認すると事業の強みを見出せるケースは多い。例えば、業歴が長く商圏を確立している、販売先(受注先)や仕入先がしっかりしている、製造工程に独自のノウハウがある、ベテランの人材がいる──などだ。

また、財務数値上の自己資本は僅少ながら、経営者個人の資産が多く、実質的な自己資本は相当額にのぼる取引先や、運転資金の融資を、キャッシュフローに合わせて証書貸付から短期継続融資や当座貸越に適正化し資金繰りを改善すれば、事業が安定する取引先も多い。

本部で断られたら同行訪問を要請