現在、老後の生活に対して不安を抱えている人は少なくない。公益財団法人生命保険文化センターが2016年に行った調査によると、「自分の老後に不安がある」と答えた人は全体の85.7%と、実に9割近くの人が老後に不安を抱えていることが明らかになった。

では、なぜ現代人は老後の生活に不安を覚えるのか。その理由は、回答の詳細をみれば見えてくる。不安の理由について「公的年金だけでは不十分」という意見が80.9%と最も高くなっているのだ。また、「退職金や企業年金だけでは不十分」と答えた人が36.7%おり、年金だけで老後の生活を支えるのは難しいと考える人が多いことがわかる。

とくに、公的年金が基礎年金だけの「第1号被保険者(農業従事者、自営業者、学生、フリーター、無職の人など)」の場合、20歳~60歳まで40年間保険料を支払った人でも、年間約80万円しか支給されない。1ヵ月あたりたったの6.5万円だ。これだけでは、最低限の生活すらままならないだろう。

年金額を増やすにはどうすればいいのか?

付加年金,国民年金基金
(写真=NaruFoto/Shutterstock.com)

公的年金だけで生活できないとなれば、何らかの手立てを講じる必要がある。近年、若いうちから株や投資信託で蓄財する人たちが目立ってきているが、その背景にはやはり将来に対する不安があるのだろう。いずれにしても、仕事の引退までに老後に向けた十分な貯蓄をしておくか、投資によって資産を増やしておかなければ、65歳を過ぎても働かざるを得なくなる。決して他人事ではないはずだ。

ただし、第1号被保険者であっても、老後の生活費を自分で上乗せすることは可能である。具体的な方法としては、「付加年金」、「国民年金基金」、「個人型確定拠出年金(iDeCo(イデコ))」が挙げられる。第1号被保険者なら、ぜひとも活用したい制度だ。

「付加年金」と「国民年金基金」の違い

この3つの方法のうち、とくに混同しやすいのが「付加年金」と「国民年金基金」である。両者の概要と違いを述べてみよう。

【付加年金】
国民年金の第1号被保険者と任意加入被保険者(60歳までに老齢基礎年金の受給資格を満たせない人など)が加入できる制度である。国民年金保険料に「付加保険料」を上乗せすることで、受給する年金額を増やすことができる。保険料は月額400円だが、付加年金額は「200円×付加保険料納付月数」なので、2年間受給すれば元が取れる計算だ。手続きは、市区町村の役所窓口で行うことができる。

【国民年金基金】
国民年金基金は、同じく国民年金第1号被保険者が加入できる制度である。住所や業種を問わない「全国国民年金基金」と、定められた事業または業務に従事している人向けの「職能型国民年金基金」があり、両者の保険料や給付の内容は全く同じである。ただし、国民年金保険料を免除されている人や農業者年金の被保険者は、国民年金基金には加入できない。

国民年金基金の加入は「口数制」で、給付の型および加入口数は月額68,000円以内で選択が可能だ(後述するiDeCo(イデコ)と合わせて月額68,000円以内である点に注意)。自分が何口加入するかによって、将来受け取る年金額が決まる。詳しい給付の内容や年金額のシミュレーションは専用ホームページhttps://npfa.or.jp/check/simulator.htmlから確認できるので、チェックしておこう。

付加年金と国民年金基金の併用は不可

付加年金と国民年金基金は、両方に同時に加入することはできない。たとえば、既に付加年金に加入している人が、国民年金基金に追加で加入することはできないわけだ。もっとも、国民年金基金にはすでに付加年金が加味されているため、どちらにも加入したいという場合は、国民年金基金を選択するのも一つの方法だ。

iDeCo(イデコ)を活用して受給額を増やす

最後に、iDeCo(イデコ)との兼ね合いについても触れておきたい。付加年金と国民年金基金は、いずれか一方にしか加入できないが、iDeCo(イデコ)は、付加年金および国民年金基金のどちらとも併用できる。つまり、「付加年金とiDeCo(イデコ)」あるいは「国民年金基金とiDeCo(イデコ)」という加入方法が可能だ。

気を付けたいのは、掛金には上限があることだ。付加年金あるいは国民年金基金とiDeCo(イデコ)を併用する場合、月額で6万8,000円、年間にして816,000円が最大限度となる。付加年金の月々の掛金は400円だが、iDeCo(イデコ)の掛け金は1,000円単位のため、両者を併用する場合はiDeCo(イデコ)の掛金は月額67,000円が最大となる点には注意しておきたい。

国民年金基金を選ぶにしろ付加年金を選ぶにしろ、iDeCo(イデコ)を活用することで、将来の老後生活費を増やすことができる。これなら、将来に対する不安を軽減することができそうだ。(提供:確定拠出年金スタートクラブ

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