将来の年金のサポートとして期待される個人年金保険は、定期預金よりも高い利回りが期待でき、税制上の優遇があります。

また、定額個人年金であれば元本割れすることもありません。

しかし、加入している個人年金保険よりも魅力的な金融商品があったり、保険料を支払うのが難しくなったりして解約を考えている人もいるでしょう。

そのような場合にはどうすればいいのでしょうか。

個人年金保険
(画像=Getty Images)

個人年金保険を解約するとどうなるのか

個人年金保険は、将来の年金を受取るためのお金を貯めていくタイプの保険です。

そのため、契約期間が10~30年と長く、保険会社は長期にわたり運用することを前提としているため、基本的に中途解約は想定していません。

ただ、個人年金保険には「解約返戻金」が設定されています。

解約返戻金とは、保険を途中で解約した場合、それまでに支払った保険料の一部または全額以上のお金を返金するという仕組みです。

解約すると契約は無効になるので、年金を将来受け取ることはできません。

定額の個人年金保険では、満期まで保有していれば金額が確定している反面、中途解約した場合は解約返戻金が払込保険料を下回るケースが多くなります。

とくに、加入してから2~3年と短い場合の解約は解約返戻金が掛金の半分以下となるケースもあります。

加入プランにもよりますが、10年以上加入している場合は、9割以上戻ってくるのが通常です。

ただし、ほとんどのケースで元本割れを起こしてしまいます。

個人年保険は、もともと将来の年金として加入しているので、元本割れをしてしまうのは大きな損失です。

どうしても緊急のお金が必要な場合や、他にもっといい貯蓄方法があって、損してでも解約して別の金融商品に回したいというなら別ですが、個人年金保険はなるべく解約しないほうがいい保険です。

解約返戻金は課税対象になる場合もある

解約返戻金を受け取った時は、税金がかかる場合があります。

保険料負担者と解約返戻金受取人が同一人物の時、返戻率が100%を超えた利益には所得税がかかります。

解約返戻金を一時所得として受け取った場合、「一時所得」として総合課税の対象です。

ただし、一時所得には50万円までの特別控除があるため、解約返戻金が支払った保険料よりも少ない場合や、解約返戻金が50万円を超えない場合は税金が発生しません。

個人年金保険を解約しないで済む方法

自動振替貸付で支払いを止める

保険には、保険料が払い込まれなかった場合に、解約返戻金の範囲内で保険料を立て替える制度があります。

これを「自動振替貸付」といいます。

自動振替貸付は、最低6カ月以上契約していれば利用可能です。

支払い期間猶予期限3カ月以内に返済をすれば利息がかからないケースが多いです。

ただし、あくまでも貸付なので利息がかかります。また、貸付した金額が解約返戻金を上回ると、保険が失効したり解除になったりする場合があるので注意が必要です。

払済保険で保険料の支払いをやめても保険を残すことができる

保険料の支払いが一時的ではなく、ずっと支払えそうにないというのであれば、「払済保険」にするという方法もあります。

変更時点までに積み立てた範囲内の保証に切替え、それまでに支払った保険料の額に応じた年金を将来受け取ることが可能です。

ただし、払込年数が減るため受け取れる年金の額は減ります。

また、払済保険の保険金額が所定の限度を下回る場合、払済保険に変更できないことがあります。

基本的に一度払済保険に変更すると元の契約には戻せないので注意しましょう。

契約者貸付でお金を借りる

契約者貸付とは、契約者が生命保険会社から解約返戻金の範囲内でお金を借りることです。

借りたお金には利息がかかりますが、カードローンなどと比べて利率が低いのが特徴。

保険会社や契約内容によって異なりますが、おおむね2~6%程度です。

また、借入金額が解約返戻金の範囲内であれば返済方法は自由です。カードローンのように毎月返済する必要はありません。

まとまったお金が入ったときに返済するなど、返済計画を比較的自由にたてられるというメリットがあります。

まとめ

個人年金保険は、できれば解約せずに続けたほうがいいです。

途中解約すると、多くの場合で元本割れしてしまうからです。

とくに、2~3年程度での解約では解約返戻金が50%を割り込んでしまいます。

多くの場合、10年を超えると解約返戻金が90%以上戻ってくるので、できれば10年は続けた方がいいでしょう。

ただし何らかの事情で資金が必要、もしくは保険料が支払えないという場合もあると思います。

そのときには以下の3つの対処法があります。

  1. 自動振替貸付で支払いを止める
  2. 払済保険で保険料の支払いをやめても保険を残す
  3. 契約者貸付でお金を借りる

なるべくこれらの制度を利用して、個人年金保険を続けるようにします。

ただし、場合によっては保険の失効や解除にもつながるので、契約内容をきちんと確認するようにしましょう。(提供: The Motley Fool Japan


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。