株式の世界には、長期間ほとんど値動きをしない株もあれば、1日で急激に変動する株もあります。

後者の、急騰株に飛びつき、短期で売買を行う投資家のことを、またはその投資戦術のことを「イナゴ」と呼びます。

イナゴはタイミングよく売買すれば超短期間の間に大きな利益を上げることができる手法である一方で、タイミングを誤ると膨大な損失を出すリスクも高い、ハイリスクハイリターンな投資戦術です。

今回は、イナゴについて、その語源から、イナゴが発生している前後で株がどうなっているのか、イナゴを戦略として用いるにあたっての注意点や心構えを解説します。

ニュースなどの材料を元にしたトレードに興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

なお、モトリーフール・ジャパンでは短期投資により利ざやの獲得を推奨してはおりませんので、ご留意ください。

イナゴ
(画像=Getty Images)

イナゴとは?

イナゴは急騰している株、とりわけ何かしらのIRの発表などといった「材料」があり急騰している株に集中する、短期での参入を狙う投資家のことです。(「イナゴ投資家」とも言います。)

もしくは、その投資戦術そのものを指します。

昆虫のイナゴが一斉に田んぼに押し寄せて稲を食い荒らし、一斉に逃げていくのに似ているため、このように名付けられました。

購入した株を早ければその日のうちに売却してしまうような、超短期のデイトレードのような取引が行われることもしばしばです

イナゴが参入すると、「イナゴタワー」が形成

イナゴが集中することによって形成されるチャートを「イナゴタワー」と呼びます。

イナゴが特定の銘柄に集中すると、株価がものすごい勢いで急騰した後、ほとんどのケースで同等かそれ以上の勢いで急落します。

その値動きをチャートとしてみた時、まるでタワーのような形を描くことに由来します。

「タワー」の形になるということはイナゴが集中した後離散した銘柄はそのほとんどが、急騰前の水準、もしくはそれ以下の水準になるということを意味します。

資金が流入する一方で、それだけ抜けている状態であることは意識した方が良いでしょう。

イナゴは儲かるのか?

イナゴの語源や、多くのケースにおいて根本的な株価上昇には結びつかないことから、イナゴに対しマイナスイメージを持たれた方もいらっしゃるかもしれません。

果たして、イナゴは利益をあげることができるのでしょうか。

売買のタイミングを間違えなければ大きな利益が上がることも

結論としてはイナゴを投資戦略として用いることで、大きな利益をあげられるケースもあります。

とりわけ、イナゴタワー形成の初期に情報を掴み、上昇の頂点に近いタイミングで売却できた場合、1回の取引でかなりの額を利確することも可能になります。

半のイナゴは損失を押し付けられる

ただし、イナゴ戦術は決して勝率の高い戦法ではないことも頭に入れておいた方が良いでしょう。

ほとんどのイナゴは参入タイミング、退避のタイミングを誤り、損失をだしてしまうためです。

仮にイナゴタワーが形成され、その後株価の水準がまったく同じにまで戻ったとすると結局のところ、企業自体の価値が上がったわけではありません。

激しい値動きの状況の中で、誰かが利益をあげた分だけ、他の誰かが損失をだしている「ゼロサムゲーム」が行われたにすぎないのです。

では誰が利益をあげるのでしょうか。初期に参入し、良いタイミングで撤退できたイナゴもそれに該当します。

しかし、それ以上に莫大な利益を得ているのは、イナゴタワーが形成する以前に、その株をあらかじめ購入していたような層。

場合によっては、そのイナゴタワーの形成自体が意図的に引き起こされたものである可能性すらあるのです。(株価操縦は禁止されている行為ですが、実際のところ追求が難しく、横行しているのが現状です。)

搾り取られるイナゴにならないためには

イナゴ自体は、ハイリスクではありますが、投資戦術の一つです。

しかし、タイミングを誤ると膨大な損失を被る可能性もありますので、参入する際は気を付けなければなりません。

そうならないために必要なポイントをお伝えします。

自分がどの段階のイナゴなのかを確認

新しいイナゴが群がり続けている間は、株価が上昇する可能性が高いですが、終盤に飛びついた場合は買った価格が天井ということも。

自分がどの段階で参入しているのかは、チャートや出回っている情報などを見ながら気を配っておきましょう。

常に逆指値で撤退ラインを意識

イナゴタワーが掲載されている段階から、株価が落ちるまではあっという間です。

少し目を離した隙に目も当てられない価格になっていることもしばしば。

利益確定にせよ、損切にせよ、かならず逆指値を張っておくことが必要になります。

上昇トレンドに乗り、逆指値を上げながら追いかけて引っかかったところで利益確定、というのが理想の逃げ方です。

残念ながら買ったところから下落したという場合にも、逆指値を張って、損失を限定させることがなによりも大事です。

乗り遅れたと思ったら無理に参入しない

株価が現在進行形で上がっているが、既にタワー形成からはかなり値上がりしているという状態、「今からでも入るべきか否か」と迷うことでしょう。

時には、迷ったら参入を控えるという判断も必要になってきます。

掴み損ねた機会は無理に掴みに行くと大きな痛手になる可能性もあるのです。株式投資の世界に三振はありません。時には見送るのも勇気です。

まとめ

何かしらの材料から買いが発生し、買いが買いを生む循環で株価がどんどん上がり続けることは株式の世界ではしばしばあります。

流れに乗って、短期で取引を行うイナゴ戦術は上手く立ち回れば大きな利益を上げることもできますが、基本はゼロサムゲーム。

少数の勝者の利益のために、大半のイナゴが犠牲になる構造を忘れてはいけません。

必ず、冷静な判断を行いながら資金を奪いつくされないように立ち回ることが重要です。(提供: The Motley Fool Japan


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。