PER(Price Earnings Ratio)は株価の割安か割高かを判断する指標の一つで、株価が一株あたりの当期純利益の何倍になっているかを表します。

計算式は「株価÷一株あたり純利益」となります。例えば、株価が1,000円、一株あたり純利益が80円の場合、1,000÷80=12.5倍となります。この企業に1,000円投資した場合、株価が変わらなくても12.5年経てば投下資本が回収できることになります。これがPERの考え方です。ちなみに、日本の一部上場企業のPERの平均は15.2倍(2019年5月末)です。

この考え方をマンションに応用したのが、マンションPERという指標です。

マンションPERの意味

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(画像=Byjeng/Shutterstock.com)

マンションPERは、マンション市場調査会社の株式会社東京カンテイが定期的に発表している指標で、「マンション購入価格÷年間賃料」によって算出されます。

マンション購入価格を投資金額、マンションを賃貸に出した場合に稼げるであろう賃料を一室あたりの純利益と考え、投資金額を何年で回収できるかを計算するものです。

数値が小さいほど、収益性・回収性が高い割安物件と言えます。

首都圏マンションPERの現状

2019年5月8日に発表された、2018年の首都圏のマンションPERを見ていきましょう。

対象となるのは、首都圏202駅にある新築相当(直近3年間に発生した築3年未満、最寄り駅から徒歩20分圏内の物件)の物件です。

発表によると、2018年の首都圏全体の平均的PERは24.96倍で、2017年と比較すると再び上振れしています。

24.96倍ということは、上記の条件に当てはまる首都圏の物件を購入して賃貸に出した場合、投資金額を回収するのに約25年かかるということです。

ということは、築3年以内の首都圏マンションに投資するより、一部上場の日本株全部を購入したほうが投資効率に理論的には優れているということになります。

また70平方メートルを基準にすると、首都圏全体の平均物件価格は前年比9.9%増の7,344万円、賃料は前年比7.4%増の241,631円でした。賃料の伸び以上に物件価格が上昇したため、2017年のマンションPER24.49倍から0.47ポイント上昇しています。

また、マンションPERも駅によっても大きく変わります。2018年は高い順に、

1 渋谷 41.21倍
2 元町・中華街 40.66倍
3 麹町 39.89倍
4 外苑前 37.52倍
5 神谷町 36.97倍

となっています。

特筆すべきは、2位の元町・中華街です。2018年11月に竣工した財閥系大手デベロッパーが開発した物件価格は、70平方メートル換算で約1億2,000万円でした。家賃が低いのではなく、物件価格が高く推移したことがマンションPERが高くなった要因と考えられます。

2位以外の場所は超高級住宅地と言えるところで、千代田区、港区、渋谷区の「CMS」に集中しています。

逆に、PERの低い駅のランキングは以下の通りでした。

1 京王多摩センター 15.53倍
2 武蔵浦和 15.62倍
3 三郷中央 16.16倍
4 千葉 17.27倍
5 柏 17.82倍

1位の京王多摩センターが15.53倍をつけたのは、駅から徒歩15分程度の場所に大規模マンションが建設され、平均販売価格が低下してきたことが最大の理由です。また、賃料がこれまでの14万円台から19万円台に高騰したこともPERが低下した要因と考えられます。

このように、ある大規模な新築物件が統計に加わると、その駅のPERが低下することがよくあるのですが、これを物件バイアスと呼びます。実際、この物件を除くと京王多摩センターのPERは21~22倍くらいになります。しかし、首都圏全体のマンションPER24.96倍と比べればまだ低く、お買い得感があります。

まとめ

今回は首都圏のマンションだけを見てきましたが、近畿圏・中京圏のマンションについても調査しています。なお、マンションPERの計算に用いる物件価格は、現金で購入した場合の価格です。
実際はローンを組んで購入するケースがほとんどなので、利息分を含めた金額を用いてマンションPERを計算すれば、より実態に近づくでしょう。とはいえ、物件の立地選定に使うのであれば、今回のような一般的なマンションPERで十分でしょう。(提供:アセットONLINE


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