税制優遇制度があることから、投資を始めてみようという人たちの人気を集めているNISA。金融機関でNISA口座を開設するだけで、手軽に始めることができる。

しかし、同じNISAでも金融機関によってサービス内容や扱う商品やその数に違いがあるので、始める前にはよく比較検討することが大切だ。目についた金融機関で安易に開設してしまうと、後で「あの証券会社で開設したほうがよかった」などということにもなりかねない。

そんな事態はできるだけ避けたい。ただし、そうなったとしても、条件はあるが1年に1回金融機関を変更することができる。

では、具体的にどのように変更すればいいのだろうか。手続き方法と変更した際のメリット・デメリットに加えて、NISAを扱っている各ネット証券の特徴などを紹介しよう。

NISA口座は1年ごとに変更できる

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(画像=PIXTA)

NISA口座は当初、口座開設後4年間は変更できないことになっていたが、2015年から金融機関の乗り換えができるようになった。

注意したいのは、金融機関を変更できる時期だ。その年にNISA枠を利用して投資を行ったかどうかによって変更できる時期が異なる。

たとえば2019年の時点で、2019年分のNISA口座を別の金融機関に変更したい場合、1月以降一度もNISAを利用していなければ、2019年9月までに変更を申し出ることで、口座を変更できる。しかし、1月以降すでにNISAを利用して投資していた場合、2019年分のNISA口座の変更はできない。

その場合は、2020年分以降のNISA口座を変更することになる。2020年分の口座変更は、2019年10月から申し出ることができる。

金融機関変更のメリット:投資できる商品の幅が広がる

NISA口座を置く金融機関を変更することによって、投資できる商品の幅が広がることがある。

NISAの税制優遇を受けるには、自分のNISA口座で取引を行わなくてはならないが、NISA口座の開設が認められるのは、1人につき1口座のみだ。したがって、投資できる金融商品は口座を作った金融機関が扱うの商品に限られる。しかも、金融機関によって、扱っている商品の数も種類も異なる。

NISA口座は証券会社だけでなく、銀行でも開設できる。ただし、銀行では株式を扱っていないので、購入できる金融商品が投資信託などに限られる。さらに、投資信託自体の数も少ない。もし、現在NISA口座がある金融機関の商品ラインナップに不満がある場合は、金融機関を変更することで選択の幅を広げることができる。

金融機関変更のデメリット:ロールオーバーできなくなる

NISAでは、購入した金融商品で得られた譲渡益や配当金、分配金は、優遇措置によって5年間非課税となる。5年間の非課税期間が満了した後は、翌年のNISA非課税投資枠にその金融商品を移して、非課税期間を5年間延長することができる。これをロールオーバーという。

たとえば、2014年にNISA枠で購入した株式は、2018年で非課税期間が終了する。その後は課税口座に払い出しをしたり、株式を売却したりして譲渡益を得てることもできるが、2019年のNISA枠に移して2023年まで再度非課税にすることもできるのだ。

しかし、ロールオーバーができるのは同じ金融機関内だけで、金融機関を変えた場合は延長できない。

仮に、2014年から2015年はA銀行のNISA口座を利用し、2016年からB証券会社のNISA口座を利用していた人がいるとする。この場合、A銀行で2014年に購入した金融商品を2019年のNISA枠にロールオーバーすることはできない。

ロールオーバーしたければ、2019年からNISA口座を再びA銀行に変更しなければならない。ただし、前述のとおり2019年分のNISA投資枠をすでに一部でも利用していれば、2019年分の口座変更は認められない。

投資信託など長期保有が前提の金融商品や、5年間の非課税期間に値下がりしたものの、今後値上がりが期待できる株式などを保有している場合は、ロールオーバーできない点がデメリットとなるので注意したい。

各ネット証券会社のNISAの特徴比較

各ネット証券会社のNISAの特徴を比較していこう。

手数料 国内株式 外国株式 投資信託の本数(ETF含) 2018年のIPO対応数
国内株式の買付・売却ともに無料。海外ETFは買付手数料無料 2,664本 86本
国内株式は売買手数料無料。海外ETFは買付手数料を全額キャッシュバック。 2,645本 11本
国内株式は売買手数料無料。海外E TFは買付手数料を全額キャッシュバック。 1,165本 59
国内株式売買手数料無料 × 1,108本 24
国内株式売買手数料無料 953本 9

夜間PTS取引やIPO銘柄数が魅力のSBI証券のNISA口座

ネット証券最大手のSBI証券でNISA口座を開設するメリットの一つは、夜間取引ができる点だ。SBI証券ではPTS(取引所金融商品市場外取引)サービスを実施しており、午前8時20分から深夜23時59分まで、株式市場の取引時間外でも株取引ができる。日中仕事をしている人にとっては、大きなメリットだろう。

また、2018年のIPO銘柄数は86本で、NISA口座を扱っているネット証券のうち最多だ。投資信託の本数も多く、100円からの取引ができるので、気軽に投資を始められる。

独自のポイント制度もあり、対象となる投資信託の月間保有額に応じてポイントを獲得できる。貯まったポイントは現金や商品のほか、Tポイントやマイルなど他社のポイントにも交換できる。

楽天スーパーポイントで投資信託を購入できる 楽天証券のNISA口座

楽天グループ共通のポイント制度である楽天スーパーポイントを活用できるのが、楽天証券でNISA口座を開設する最大のメリットだ。

楽天市場など楽天グループのサービスを利用すると獲得できる楽天スーパーポイントは、楽天証券で投資信託の購入費用として使うことができる。さらに、投資信託の積立資金を楽天カードのクレジット決済で引き落とせば、積立金額100円につき1ポイントが付与される。

投資信託は2,550本以上、米国株式約1,760銘柄、中国株式約730銘柄などを取引できる金融商品もあり、充実した投資が行えるのも楽天証券の魅力と言える。

幅広い商品と手数料の安さが魅力 マネックス証券のNISA口座

マネックス証券は、商品を幅広く取りそろえているのが魅力だ。国内株式では、上場株式のほかETFやREIT、IPOなども対象に含まれる。米国株式も3,000銘柄以上、中国株式はほぼ全銘柄がそろっており、投資信託も1,000本以上あるため、幅広い商品から自分に合ったものを選ぶことができる。

手数料も安く、国内株式の売買手数料は無料となっている。

「プチ株」が魅力 カブドットコム証券のNISA口座

カブドットコム証券でのNISAの魅力は、「プチ株(単元未満株取引)」サービスがあることだ。毎月500円以上1円単位という少額で単元未満株を積み立てできる。これを使えば、指定した銘柄を毎月一定金額ずつ買い付けることで、買付単価を長期的に平準化することができる。

これなら少額で投資ができるため、無理なく投資をスタートできる。買い増ししていくことで単元株にもなる。さらに自分の名義で株を保有できるため、単元未満株にも株式優待を行っている企業を選べば、優待を受けることもできる。投資信託とはまた別の、コツコツ型投資をしたい人にはおすすめだ。

また、三菱UFJフィナンシャルグループなので、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が引き受けるIPO(新規公開株)を申し込むことができる(一部取り扱わない場合がある)。

無料で使える情報ツールが充実 松井証券のNISA口座

老舗の総合証券会社として、情報サービスや分析力に定評のある松井証券。NISAでも使える投資情報ツールを、無料で豊富に提供している。

たとえばQUICKリサーチネットには、最新の個別銘柄レポートや全銘柄の優待情報、注目企業の人気サービスなど、投資に必要な情報がそろっている。またテーマ投資ガイドでは、個人投資家が今注目しているテーマをランキング形式で表示でき、相場の流行を知る手助けとなる。

これらの情報サービスやツールは、NISAでの投資をより充実したものにしてくれるだろう。

金融機関を変更するための手順

では、実際NISA口座を置く金融機関を変更するには、どうしたらいいのだろうか。具体的な手順について説明していこう。 

NISAは1年に1回、口座を置く金融機関を変更することができる。まずは現在口座がある金融機関に変更を依頼し、「金融商品取引業者等変更届出書」を送付してもらう。必要事項を記入して提出すると、「非課税管理勘定廃止通知書」が発行される。申し込みから発行まで約1ヵ月かかる。

次に、新しくNISA口座を置きたい金融機関に口座開設を申し込む。すでに口座を開設している金融機関に変更する場合は、NISA口座の開設を申請するだけでいい。すると、「非課税口座開設届出書」が届くので必要事項を記入し、すでに発行された「非課税管理勘定廃止通知書」と一緒に提出すると、新しいNISA口座を開設できる。

NISAからつみたてNISAに変更するための手順

NISAからつみたてNISAに変更したい場合は、どうすればいいのだろうか。その変更手順について紹介しよう。

NISAとつみたてNISAは併用できない

つみたてNISAは、金融庁が定めた基準を満たす投資信託やETFが投資対象となる税制優遇制度だ。年間投資上限額は40万円と一般NISAより少ないものの、非課税期間が投資した年から最長20年と長いのが魅力だ。

一般NISAとつみたてNISAは併用できないため、毎年どちらかを選ばなくてはならない。もし、NISAをつみたてNISAに変更したい場合は、NISAは廃止することになる。

同じ金融機関内で、つみたてNISAへ変更する場合

同じ金融機関内の変更なら、さほど難しい手続きは必要ない。公式サイトでつみたてNISAへの変更を申し込むと、「つみたてNISAへの変更届け出書」が郵送されてくる。その書類に必要事項を記入して提出すれば、変更は完了だ。

金融機関を乗り換えて、つみたてNISAへの変更する場合

金融機関を変更してNISAからつみたてNISAに口座を変更する場合は、まず現在利用している金融機関に変更を依頼し、「金融商品取引業者等変更届出書」を送付してもらう。必要事項を記入して提出すると、「非課税管理勘定廃止通知書」が発行される。

次に、新しくつみたてNISA口座を開設したい金融機関に申し込む。申し込みは公式サイトから行うことができる。総合口座を開設していない場合は、まずは総合口座の開設が必要になる。

申し込み後、金融機関から書類が送られてくるので、必要事項を記入して「非課税管理勘定廃止通知書」とともに送付する。問題なく書類が受理されれば、つみたてNISAの口座が開設される。

NISAとつみたてNISAの両方を取り扱うネット証券会社は

NISAとつみたてNISAの両方を取り扱うネット証券会社を紹介していこう。

SBI証券

取り扱い金融商品が充実しているネット証券会社最大手。つみたてNISAの対象となる投資信託は151本と選択肢が多いのが魅力。

楽天証券

一般NISAやつみたてNISAで投資する投資信託の買付代金に、楽天スーパーポイントを利用できるのが魅力。他の買い物で付与されたポイントを使って、投資を行うことができる。

マネックス証券

国内外の上場株式や投資信託など、幅広い投資商品がそろう証券会社。IPO取扱件数も多い。つみたてNISAの対象となる投資信託も130本以上そろっている。

カブドットコム証券

三菱UFJファイナンシャル・グループならではのIPO取扱件数の多さが魅力。IPOの抽選は全員公平にチャンスが与えられるので、初めてでも挑戦しやすい。NISA口座を開設すると、他の取引手数料が優遇されるサービス「NISA割」もある。

松井証券

投資信託の購入時手数料が全額ポイント還元されるなど、お得なサービスが充実。NISA口座での株式取引の売買手数料も無料で、コストを抑えた投資ができる。

ライブスター証券

つみたてNISAの対象となる金融商品は「ひふみプラス」のみだが、手数料が無料なので利用しやすい。ひふみプラスに投資したい人であれば選択肢に入れるべきだろう。

口座変更は1年ごとに可能 自分に合った金融機関を選ぶ

一般NISA、つみたてNISAではどちらも税制優遇が受けられるため、投資を行うのであれば限度額いっぱいに利用したい。

ただし、投資できる金融商品はNISA口座を開設している金融機関によって数も種類も異なる。特に銀行は株式投資ができず、投資信託の種類も限られているため、自由度がかなり低い。できればネット証券会社など金融商品を幅広く選べる金融機関に口座変更するのがおすすめだ。

一般NISA、つみたてNISAともに口座を置く金融機関は1年ごとに変更できるが、変更するとロールオーバーができないなどのデメリットもある。できれば変更しなくて済むように、しっかりと金融機関の特徴を見極め、長く利用できる金融機関を選びたい。

まずは、それぞれのネット証券会社で取り扱う商品ラインナップや手数料を確認し、自分のライフプランや資金形成の目的に合った証券会社でNISA口座を開設してほしい。(ZUU online 編集部)

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