

保険セールスの最高タイトルであるトップ・オブ・ザ・テーブル(TOT)。そのTOTに2年連続で輝いているうえ、IFA会社である株式会社FPデザインの代表取締役を務める石本導彦氏。現役トップセールスでありながら、現役経営者として同氏に「保険営業の極意」を聞いた。(編集構成:ZUU online副編集長 菅野陽平)※本インタビューは2019年5月に実施されました
徹底的に相手を知り仮説を立てる
──「適格退職年金の廃止」といった制度変更が行われるときは、それに対応するためのニーズがあると思いますが、いつまでも続きませんよね。その後は、電話をかけるときなどに、どのようにしてニーズを喚起されるのですか。
両方ともそうなんですけど、あるマーケットに入って、そのマーケット内での社会的認知の力を借りて、電話をする。それだけで、アポを取り付ける率は圧倒的に、普通でかけるよりは20倍くらい高くなります。
でも、先方は商品を勧められるとは思っていません。経営の相談だと思っています。特に商工会議所の場合は。だから、ここでサプライズというか、目からウロコが出るような仕掛けをつくって次に進まないといけません。
ここで大事なのが仮説営業です。お客さまを訪問する前に、相手のことを徹底的に調べて仮説を立て、当日にプレゼンをしていくというやり方です。
まずは法人が訪問先のときは、必ず電子謄本を取ります。その次に帝国データバンクのデータを取ります。そして、私が保険の話をするために見ていくポイントがいくつかあるのですが、そこのポイントを重点的にチェックします。それから、会社のホームページなどを開き、社長へのインタビューや取材記事を読みます。その内容で、まず経営者やオーナーのタイプ分けをします。タイプ分けというと、陳腐な言い方になりますが、人柄などの特徴を分類分けします。
この社長はどういうところに興味があって、どういうところに心の欲求があるのか。何が好きで何が弱みかといったことです。そのうえで、あとはホームページの内容やさまざまな記事を読んで仮説を立てていくという感じです。このような事前の準備をかなりしてから、初めて訪問をする。これはすべてのお客さまに対してやっていることです。
──たとえば帝国データバンクのデータをぱっと見たときに、目に入れるポイントはどういったところでしょうか。